DIY 解説!バンパーの直し方

徹底解説 バンパーのスリキズ補修方法

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ご自身の愛車に、このようなスリキズはありませんか?

カーショップで売っているタッチアップペンで目立たなくするのもいいですが、

もう少し頑張れば、もっと綺麗に、自分の手で補修することができます。

 

DIYの補修で失敗する1番の原因は、『正しいやり方を知らない』に尽きると思います。

それはそうなんですよ。

今、ネットで補修方法を検索しても、わかりやすいサイトなんてほとんどありませんから。

解説しているサイトもありますが、僕に言わせると正直言って無茶苦茶なものが多いです。

根本的に間違っていたりね。

___『まずはボカシ剤を全体に塗ります!』

とかね。

このブログでは、現役自動車塗装士である僕が、徹底解説します。

今回は、『フロントバンパーのタッチアップ』を取り上げました。

タッチアップとは、途中でボカす塗装方法のことです。

スプレーガンでも、缶スプレーでも、どちらでも作業可能です。

 

正しい作業方法を見て、参考にしてみてください。

では、早速やっていきます。

 

傷の範囲の確認

まず、1番最初にやるのは『傷の範囲の確認』です。
用意する道具はこちら

汚れや小傷を消す場合、コンパウンドは細目を使うことをお勧めします。

これで十分に傷を研磨出来るので。

この傷の正確な傷の範囲を確認します。

 

細目のコンパウンドを、ウエスにパチンコ玉2つ分ほど出します。

そして、傷を全体的に擦っていきます。


傷が少し薄くなりましたね。

正確には、当たった時に付いた色、またはクリヤーが擦れて白くなっていた所を

コンパウンドで取り除いています。

擦り終わると、このように、傷の範囲をハッキリと確認することが出来ます。

これで傷の確認は終了です。

 

では、次の作業にかかります。

RINREI(リンレイ) ボディークリーナー ProMiraX スリキズキズ消しコンパウンド

 

凹みの確認

バンパーは弾力がありますが、当たると傷の箇所が凹みます。

鋭角に凹む、または削れている場合はパテ作業が必要になりますが、

押したように凹んでいる場合は、パテはいりません。

今回は凹んでいなかったので、パテなしでの作業の解説をします。

 

※凹みがない場合や、直さなくてもよい場合は飛ばしてください。

ヒートガン・ドライヤーで温める

バンパーが凹んでいる場合、反対側から押せば直ります。

ですが、ただ押すだけでは固くてどうしようもないので、ヒートガンを使って凹んだ個所を焙ります。

もしヒートガンがない場合、根気よくやれば強いドライヤーでも代用できます。

白光 ハッコーヒーティングガン 883B 100V-1KW平型プラグ

 

熱の弱いヘアードライヤーでは不可です。

また、もし分解できるなら、熱湯につけることで代用することもできます。

少し分解して、反対側から押す

リテーナー(フェンダーに付いているバンパーを固定するパーツ)や

タイヤハウス内にあるライナーのクリップなど、バンパーをボディに固定しているネジやピンを外せばバンパーはズレます。

バンパーを温めている状態で、ドライバーのケツなど、丸みのあるものでゆっくりと押していきます。

尖ったもので押すと、鋭角に変形するのでNGです。

 

そして、様子を見ながら形がまっすぐになるように整えます。

形が整ったら、エアブロー、ヒートガン・ドライヤーのCOLD、冷たい水を当てるなど、

バンパーの熱を冷まします。

こうすることによって、柔らかくなっていたバンパーは元の硬さに戻ります。

変形の修復は以上です。

 

傷の修正

凹みが直っても、塗膜が削れた段差はそのまま残るので、これを修正していきます。

1.#240のペーパーを当て板に当て、傷の箇所を広めに削っていきます。

このとき、当て板の角を使わず、面で当てることを心がけてください。

削り終わったら手で触った感覚で、塗膜の段差の引っかかる感触がなくなればOKです。

次に、傷を修正した個所と、その周りを#320で当てなおし、全体を滑らかにします。

次の作業のこともあるので、少し広めに擦っていれば手間が省けます。

耐水ペーパー 10種類 セット 各1枚

A4 大サイズ!! 耐水 サンド ペーパー 紙やすり 研磨紙 セット

パテで修復する場合

削れている場合や、バンパーを分解できない場合、またはヒートガンがない場合はパテで修復します。

写真は別のパーツです

 

作業方法

1.耐水ペーパー・サンドペーパーのどちらでも構わないので、#180のペーパーを当て板を使って、傷を研いでいきます。

この当て板を使うことによって、力が入り、また平らに研ぐことが出来るので、必ず使ってください。

   手で当てると、指状に凹んで、修復しにくくなる場合があります。

  研ぐ範囲は、傷から5~10センチまでで、あまり広げないように注意します。

2.すると、クリヤー・ベース・サフェーサーが削れて素地(黒いところ)が出ます。

3.傷の箇所にパテを盛ります。この時、旧塗膜にパテが付いてもかまいません。

4.ヒートガン・ドライヤーでしっかりと乾燥させます。

5.当て板を使い#240で研ぎ、#320で均します。

 

写真のようになればOKです。

これでパテ修正は完成です。

ホルツ バンパーパテ ブラック

 

サフェーサーの塗装

次はサフェーサーの塗装です。

サフェーサーには、旧塗膜や下準備の際にできた#400以下のペーパー目を埋め、ベース塗料との密着性を高める効果があります。

もしサフェーサーを乗せなかった場合、例えば素地が出た所に直接ベースを乗せた場合、

その個所は『痩せる』といって、見た目には削った個所がそのまま凹みます。

こういった不具合を抑える効果もあります。

 

マスキング

まずはシリコンオフで、ペーパーで足付けした所をしっかりとふき取ります。

そのあと、写真のようにマスキングを行います。

カーショップには、マスカーなどが売っていますが、新聞紙で十分です。

そしてマスキングの範囲ですが、実はスプレーガン・缶スプレーのどちらも、塗料は結構飛散します。

全体をカバーで覆うことが出来れば1番いいのですが、そこまでは必要ないので

今回の場合で言えば、少なくとも右フロントドア、フロントガラス全面、ボンネット、フロントバンパーの残りを覆うくらいは隠してください。

サフェーサーが飛散してボディに付いた場合、白い点になり、とても取れにくくなります。

次にサフェーサーを塗装していくんですが、

ここでプロも使う小技を紹介しておきます。

3M マスキングテープ 車両用 7巻入 18mm×18M

プロも使うサフェーサー塗装の小技

では、塗り方の説明です。

普通は最初から、端から均一にサフを乗せていきますが、それだと削った場所が凹んだまま仕上がる可能性があります。

なので、次の手順で行ってください。

1.削った縁(黒いところの端っこ)にのみ、2回サフを乗せます。

今回の場合で言えば、ぐるっと回すように1回乗せ、少しだけ乾燥させてもう1回乗せます。

2.次は、さっき塗った中側、黒いところを薄く、1回、2回、3回乗せていきます。

これでOKです。
これは何をしているかというと、この削った黒い箇所は、バンパー全体から見ると実は凹んでいます。
この凹んだ状態のままサフを均一に乗せても、削った個所は凹んでしまう可能性があります。
そうならないように、前もって削った個所だけを最初にサフを乗せ、高くしているわけです。
少しだけ自然乾燥させ、指で触っても付かない程度(指触乾燥といいます)まで乾いたら

今度は写真のように、端から均一に薄くサフを乗せていきます。

あまり分厚く塗ると、今度は乾きにくくなるので、3回ほどで十分です。

しばらく自然乾燥させてから、ヒートガン・ドライヤーで乾かしてください。

乾燥の目安は、指で押しても指紋が付かない、爪を立てても凹まないくらい固くなっていたらOKです。

どちらもない場合は、1日置いて様子を見ます。

Holts(ホルツ) プラサフスプレー P-3 プライマーグレー

サフェーサーの研磨

サフが乾燥したら、次は研いでいきます。

これは、耐水ペーパーでも、空研ぎでも構いません。

#600で、サフを削り落としてしまわないように注意しながら削っていきます。

写真のように、サフのキワが徐々に薄くなっていくように研げればOKです。

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塗装する範囲の足付け

次に、塗装する範囲を足付けしていきます。

今回はバンパーの半分まで塗る予定なので、#1500で擦っていきます。

当てる目安がこのくらいですね。

今回は#1500で当てましたが、#1500以下の粗さのスコッチブライトで擦ってもかまいません。

研ぎカスをしっかりと落とし、足付けはこれで完了です。

耐水ペーパー 10種類 セット 各1枚

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塗装前のマスキング

全体をマスキングしていきます。

やり方としては、基本的に、塗りたくないところをテープ・紙で隠していきます。

この時も新聞紙でかまいませんが、念のため、2~3枚重ねておいたほうが安心です。

そして、この紙を貼っているところだけでは不十分なので、必ず後方まで隠してください。

新聞紙をつないでいってもかまいませんし、余裕があればマスカーを使ってきれいに隠すのもありです。

 

最後にシリコンオフでしっかりと脱脂しながら、細部に隠し残しがないかを確認します。

これで、マスキングは完成です。

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色について

バンパーの色について、少しだけ説明をしておきます。

新車の状態から1度も塗装歴がないクルマは、フェンダーとバンパーの色が違います。

皆さんの愛車も、その他すべてのクルマがこうなっています。

このクルマの場合、角度によるものではなく、実際にバンパーが黒くなっています。

これはフロントバンパーですが、リアバンパーも同じ状態です。

そして、市販の缶スプレーで塗った場合、このどちらとも少し色味の違う色になります。

もちろん、どの色でも同じように色がずれてきます。

なぜこうなるかの説明は省きますが、こういうものだと思ってください。

 

ベース塗装

では、実際にベースから塗装していきます。

外で塗る場合は、下に水を撒いておくと、エアーの跳ね返りのブツが付かなくなります。

バンパーに大きなゴミが付いていないかを確認して、塗装開始です。

 

まず、ベースを乗せない箇所にアンダークリヤー(ボカシ剤)を乗せておきます。

ボカシ剤の効果は、この上に乗ったベースをにじませることです。
綺麗ににじませることによって、ボカシ際がグラデーションとなり、綺麗にボカすことが出来ます。
そのほかに、ベース塗装時に飛散したミストのザラツキを防ぐ効果もあります。

こうすることによって、ベースを塗装中に飛んできたミストのザラツキを防ぎます。

 

塗り方ですが、ダブルコート(2回塗り)で行います。

1回目を乗せると、すぐに乾いてしまいます。

これは、足付けした傷の中に、プライマーが吸い込まれてしまうからなんですね。

なので、2回目を半艶くらいまで乗せていきます。

これでアンダークリヤーはOKです。

ベース1回目

ベース1回目を乗せました。

よく言われている『捨て塗り』のようなことはしなくていいです。

最初から最後まで同じように乗せても必ずきれいに仕上がります。

ガン(缶スプレー)と、バンパーとの距離ですが、通常は20~25cmと言われています。

この色を乗せる感覚だけは、文章では説明できないので、前もって段ボール等、何でもいいので

何度か試し塗りをして、距離感を掴んでおいてください。

 

まずは均一に乗せていきます。隠蔽出来ていなくてもかまいません。

均一に乗せ、厚塗りは避けてください。

ガンを動かすスピードは、この塗装で片道1秒、往復2秒くらいで丁度です。

あまり大きく振りすぎてもだめですが、サフを乗せているところより少し広めに、

アンダークリヤーに少し乗せるような感じです。

この状態で、指触乾燥(指で触れる程度まで乾燥)するまで待ちます。

焦って重ねて塗ったらダメですよ?

Holts(ホルツ) カーペイント

 

ベース2回目

ベース2回目です。見た目には隠蔽されているように見えますね。

このときのベースの乗せ方は、1回目と同じ要領で乗せます。

1回目に捨て塗りをしていると、色によって異なりますが、2回でここまでは隠蔽しません。

必ず、ベースを乗せる量は同じにしてください。そのために厚塗りを避ける必要があるわけです。

 

ここで、どれくらい隠蔽しているかを確認します。

 

隠蔽の確認方法

周りを少し暗くして電気を当てると、どれくらい隠蔽しているのかを確認することが出来ます。

この場合、上が少し透けていることが確認できると思います。ここがまだ隠蔽出来ていないわけですね。

 

このように、建物の中のような日陰で見た時と、電気を当てた時ではこのように見え方が違うので

シルバー系などは特にそうですが、隠蔽の確認を行ってください。

 

ベース3回目

3回目を乗せる前に、アンダークリヤーをもう1度乗せておきます。(ダブルコート)

そして、1回目、2回目と同様に、均一にベースを乗せていきます。

ベースを乗せるキワですが、2回目より少しだけ広めに、アンダークリヤーに少し乗るように塗ってください。

これで、ベースの塗装は終わりです。

 

ムラ取り

ベースを乾燥させた後、バンパーを見てみると、綺麗な艶消しになっていると思います。

ですが、塗っている色がメタリック・パールだった場合、絶対にムラが残っています。絶対です

なので、ムラ取りの作業を行います。

1.スプレーガンの場合は、エアー圧を落とし、シンナーを20%ほど入れます。

2.ベースを塗った時より少し10㎝ほど遠目から、色を乗せていきます。ガンの運行スピードは同じです。

缶スプレーの場合も、ベースを乗せた距離よりも10㎝ほど離します。

そして、缶スプレーの運行スピードは、ベースよりも若干早めに行ってください。

 

これは、『ドロップコート』と呼ばれる、ムラ消しの塗装方法です。

通常のベースより、シンナー希釈を多くしてエアー圧を落とし、雨を降らすような感覚で乗せてきます。

乗せ終わると、最初は肌が高くなりますが、シンナーが蒸発するにつれて肌が滑らかになり、ムラがきれいに消えていきます。

缶スプレーの場合は、遠くから早く、薄く乗せる感じでOKです。

 

クリヤー塗装

ベースが指触乾燥したら、次はクリヤーを塗装していきます。

まず、最初にアンダークリヤーをキワに乗せておきます。

写真で言えば、右側の新聞でマスキングしてあるところから、15センチくらいの幅ですね。

上から下まで、ダブルコート(2回乗せ)で、塗ってください。

 

次にアンダークリヤーが乾く前に、クリヤーを乗せていきます。

乗せ方は、ベースと同じ方法です。片道1秒、往復2秒くらいで、バンパーとの距離は20㎝。

ガン・缶スプレーを必ず横に動かしてください。

塗る箇所は、横から行きます。正面ではなく、フェンダー側ですね。

ガン・缶スプレーのパターン(塗料の出ている幅)をよく見て、均一に乗せていきます。

 

塗る回数は2回です。1回目と2回目は、同じように乗せていきます。

もし2回でまだ艶がない・塗り残しがあるなど、もう1回乗せる場合は、必ず20~30ほど乾燥させてから行ってください。

慌てて乾燥させずに乗せると、必ず垂れます。

 

最後に、クリヤーのキワにアンダークリヤーを乗せ、なじませれば完成です。

 

指触乾燥後、紙をめくって完成です。

 

ここまでが、完成までの手順となります。

お疲れさまでした。

Holts(ホルツ) ウレタンコートクリアスプレー

 

まとめ

今回は、できるだけ細かくバンパーのタッチアップの方法を解説しました。

この作業は難易度的には低く、塗装を始めて間もない初心者が最初に任せられるぐらいのレベルです。

 

そして、ここまで読まれた方ならお分かりだと思いますが、

まったく何もやったことがない初心者の方には、難易度が高い作業です。

 

マスキングやパテなどは何とかなるのですが、塗る感覚はもう慣れしかありません。

ですので、もしこれから未経験の方が作業される場合は、いきなりボディを触るのでなく

一斗缶でもなんでもいいので、まずは別のもので練習して、色を乗せる感覚を掴んでください。

 

質問等あれば、受け付けていますのでご遠慮なくどうぞ。

 

 

 

 

 

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