スバル 自動車塗装日記

自動車塗装日記#80 破れたPPパーツの補修

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いちころです。

1990年以降のクルマで主流となっているバンパーの素材は

PP(ポリプロピレン)製のバンパーです。

重量やデザイン性でも大変優れているのですが、

補修もしやすいという特徴を持っています。

今回は、そんなPP製のパーツの破れている部分の補修を行いました。

 

今日の作業はコチラです。

はい。社長のフォレスターの側面の塗装です。

このキズは、山に行った時に何かにあたったそうですが、見た目ほどひどくはなく

歪みも浅くて、今付いているパテでもう歪が抜けている状態です。

問題なのはコチラ

 

左のフロントフェンダーの下に付いていたマットガードです。

ご覧の通り、バッキバキですね。

このクラックは全体に広がっていて、

しかもその下には結構厚めのパテが付けられています。

誰や?こんなPPパーツにパテを全体に付けたヤツは?( ゚д゚ )クワッ!!

 

柔軟性があるパーツに、こんな全体的にパテをするのは

普通ではありえない修理方法ですが、付いているものは仕方がありません。

ギアアクションで全部削っていきます。

 

はい。パテを全部削り落としました。

・・・・なんでパテを付けた?ってくらい、見事に何もありません。

角は削れていますが、それ以外は至ってキレイなパーツです。

僕はいつも、PP素材のパーツを削る時は、ギアアクションを使います。

よく、ダブルアクションで削っている人がいますが、これだと

PP素材がささくれてしまうんですね。ガタガタというか、素地が立つような感じです。

そうなってしまうと、目の細かいペーパーで当て直したとしても

荒くなった肌が細かくなるだけで、ツルッとした肌にはなりません。

これをキレイにするのはちょっとめんどくさくて、サフを厚盛りしても

立った目がサフを抜けて出る場合もあるし、最悪、パテを付けることになりかねません。

『そんなん、上手いことやったらイケるわ』

『オマエのやり方が下手なだけやんけ』

という声が聞こえてきそうですが、僕もPP素材の補修は

1000ではきかないくらいやってきています。

色んな失敗もしてきました。

そんな僕が、PP素材の補修で最適だと思うのがギアアクションです。

ダブルとギアの動きの違いを簡単に言うと、

ダブルは縦と回転、ギアは縦と横と回転です。

このギアの3つの運動で削ることによって、ダブルで出たケバを出すこと無く

ツルっとした肌に仕上げることが出来ます。

 

じゃ、続けますね。

 

#240から#320まで当て直し、表面は完成です。

次が問題の裏面ですね。

 

これは、端から破れてしまっていたのを、

メグミックスという、ボンドのようなもので固定していたようです。

今は剥がれてしまっていて、もう効果はありません。

 

これが付いていたメグミックスというボンドです。

ポロッと取れました。

 

バンパーのクラックを補修する時に、特に鈑金屋の人は

このメグミックスを使う人が多いように思います。

『コレはカッチカチに固まるから、しっかり止まるわ!』

という感じですね。

ですが、僕の経験上、PP素材のクラックでメグミックスを使うのは間違いです。

メグミックスでクラックは埋まりません。

その理由なんですが、まず、メグミックスでPPバンパーのクラックを補修した場合、

そのメグミックスとバンパーは、どうやってくっつくかというと、

足付けによるペーパー目しかありません。

そして、このメグミックスは乾くとカチカチに硬化します。

ということは、クラックの上に、めちゃくちゃ硬いパテを乗せているのと

同じことになります。

こんなの、もつわけがないんですよね。ヒビはそのままなんですから。

しかもペーパー目でしかくっついてい訳ですから、ちょっと当たればすぐ剥がれます。

例えば、バンパーの組付けで、リテーナーにはめ込む時に

軽く叩くだけで、普通に割れることも当然ありえます。

このような理由で、メグミックスはオススメしません。

 

実際、破れたPPパーツを元の強度に戻すことは難しいかもしれませんが

僕が一番いいと思うのが、ワイヤーピンと、溶着です。

ワイヤーピンとは、ホッチキスとも呼ばれていて、形は色々ありますが

ホッチキスの芯のような形のものを、ハンダコテの用なものにはめ、

溶着で、埋めていくものです。

これをクラックに合わせて数本埋めれば、かなり強度は上がります。

その上から、同じPP製の切れっ端で、ハンダゴテで溶着しながら行けば

結構しっかりと止まります。

 

今回は、ワイヤーピンがないので、溶着のみで行きたいと思います。

 

まずはクラック部分を掃除し、くっつけるカタチを決めます。

大体写真のような感じですね。この位置で行きます。

 

ハンダゴテでなぞりました。

もともと割れていた所をくっつけたので、ここが一番根本になります。

ほんとうなら、ここでワイヤーピンなのですが、ないので溶着でいきます。

その前に、同じPP素材の調達です。

 

こんなのが落ちていたので、これを使います。

これを適当な大きさに切り、溶着していくわけです。

 

はい、ハンダゴテでカットしました。これを溶かして付けていきます。

 

はい、溶着が終わりました。

見た目は悪いですが、強度はかなりあります。

この溶着の時に注意することは、PP素材も一緒に溶かしながら

少し混ぜ込むように付けていくこと。

そうしないと、メグミックスと同じで上っ面が付いてるだけで、

ポロッと取れることになるので、注意が必要です。

 

次はボディにかかっていきます。

ほとんど研いでくれていますが、まだ高いとこがあるので

これを落としていきます。

 

まずはガイドコートを塗布。

これで、高さと残ったペーパー目を目視することが出来ます。

よくガイドコートは初心者向けで、ベテランは使わないといいますよね。

実際、以前の現場で使っていたのも僕だけでした。

『そんなん使わんでも分かる!』

と言っているのを聞いたことがありますが、それは材料費の節約なのか

それともこんな初心者向けの道具を使うまでもないという意味か

良くは分かりませんが、確実に仕上げるなら、僕は目視できたほうが

良いと思うんですよね。

そしてもし、ペーパー目が残っていたとしても、

『サフで埋まる』

と言います。ま、たしかに埋まるんですけど、それは分かっているのにキズを消さず

修復を後回しにしたことになります。

そうなると、結果直りますけど、作業のやり方はそれでエエんか?という

作業方法の問題になります。

ここは塗装屋の性格によって変わるところですが、断言できるのは

やるべき作業を後回しにして、困ることはあっても良いことはありません。

 

実際、ガイドコートを使えば、ペーパー目、スアナは1発で見えます。

僕自身、その手の失敗がかなり減りました。

僕的には必須の道具なんですけどね。

 

( ゚д゚)ハッ! 続けますね。

鈑金パテの段階で、旧塗膜を削らずに上手に研いでくれていたおかげで

まわりに歪みはありません。

このまま旧塗膜を削らないように注意し、フェザーエッジを付け

歪も抜いていきます。

同様に他の箇所も削り込んで行き、エアブロー・脱脂・マスキングをして

サフェーサーを塗装していきます。

 

はい。サフェーサーを塗りました。

今回は隠蔽させる程度。指定の20%で希釈し、2回塗りです。

ボディの歪みも抜けていたので、そこまで厚塗する必要もないと思ったので、

今回はこれで行きました。

指触乾燥後、熱源であぶり、乾燥させていきます。

 

サフェーサーの乾燥後、#600で研磨し、

全体を#1300で足付けしました。

 

これで下準備は完成。

今日の作業はここまでです。

お疲れ様でした(`・ω・´)ゞ

 

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