サフェーサーの塗装方法

サフェーサーの説明と塗装方法

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自動車補修の下地塗料サフェーサーの説明です。

傷の研磨の後や、パテ作業の後など幅広い用途があり、

塗料を綺麗に塗り、長持ちさせるために欠かせない塗料です。

 

サフェーサーとは?

自動車補修をする時に使う、下地用の塗料のことです。

主な目的は補修した箇所をコーティングして、ベース塗料が綺麗に塗れるように

塗装面を作ることです。

補修時に出来た研磨傷を消したり、シンナー希釈の量を調整すれば

分厚く塗ることも出来、歪みを抜くことも出来ます。

その他に、作業途中の場合、水を通さないので防水効果や

研磨した鉄板の上に塗ることで、酸化を防ぐ防錆効果もあります。

※錆止めではないので、サビの上に塗っても効果はありません。

 

サフェーサーの種類

サフェーサーは大きく分けて2種類あります。

ラッカーサフ

硬化剤の入っていない、1液タイプのサフェーサーです。

乾燥すると塗膜が固くなりますが、熱に弱いのが特徴です。

缶スプレーはほぼこのタイプになります。

 

ウレタンサフ

硬化剤の入った、2液型のサフェーサーです。

塗膜が乾燥ではなく硬化するため、非常に固く、また熱に強いのが特徴です。

プロが使うサフは、このタイプになります。

塗装するためには、スプレーガンが必要です。

 

・エポキシプライマーサフェーサー

主に、アルミ素材の下地処理に使われる塗料です。

エポキシ樹脂に硬化剤を入れる2液タイプのもので、

防錆・付着性・膜厚性に優れています。

 

サフェーサーを塗る目的

サフェーサーを塗る目的は以下のとおりです。

1.塗装面を作り、肌を滑らかにする

2.ベース塗料の隠蔽性・密着性の向上

3.調色の補助

1.塗装面を作り肌を滑らかにする

補修する際、塗膜を削れば削った箇所が周りより低くなり、

パテ修正をした箇所はわずかに歪が残っています。

サフェーサーは、こういった補修した箇所を平坦にし

塗装面を作るのが、主な目的です。

 

様々な目的で使うサフェーサーですが、塗装時に1番多いのは

パテ修正の後のサフェーサーです。

 

パテは顕微鏡で見ると、小さなスアナがたくさん空いていて

言ってみれば硬いスポンジのようなものです。

パテの上に直接ベース塗料を乗せてしまうと、その穴の中に塗料が入り、

スアナというプツプツと針で刺したように塗膜に穴が開く不具合が起こったり、

結果的にパテの箇所が痩せて(凹む)しまいます。

サフェーサーは、このスアナを埋めて肌を均一にし、

ベース塗料を塗りやすい肌を作ることが出来ます。

ただし、埋まらないスアナもあるので、その場合はパテ修正が必要になります。

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2.ベース塗料の隠蔽性・密着性の向上

ベース塗料は、実はどの色でもそうなのですが、隠蔽(塗りつぶす)させるためには

かなりの塗料を乗せる必要があります。

ですが、隠蔽させようと何度もベースを乗せると、色が濃くなってしまい

狙った色と、かなりズレてしまうことがあります。

また、厚めに塗ったことで膜厚が付いてしまい、硬化不良や

垂れなどの不具合を起こす可能性もあります。

特にソリッドカラーで言えば、赤、黄色、

メタリックカラーで言えば、目の粗いシルバー系が、特に隠蔽性が悪い色です。

そこで、サフェーサーを塗ることによって

隠蔽しにくい色を、分厚くベース塗料を塗らなくても

綺麗に隠蔽させる事が出来ます。

そして、硬化したサフェーサーを研磨することで

鉄板に直接塗るよりも、しっかりとベース塗料を密着させる効果もあります。

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3.調色の補助

サフェーサーには、調色の補助の効果があります。

隠蔽性の良い色にはあまり関係がないのですが

そもそも調色する色には、サフの色の指定があります。

黄色なら白、赤なら濃さによって合わせたグレー、

青なら濃い目のグレーなど、白から黒の間で色々と塗り分けています。

その理由は、サフの色によって、上に乗せたベースの色が変わるからです。

例えばソリッドの赤を塗る時、

サフの色を白と黒の2色を塗ったチップを用意します。

その上に赤を乗せると、白の方は白っぽい赤になり

黒の方は黒っぽい赤になります。

このように、サフの色は、上に乗せる色にとっても重要な役割があります。

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サフェーサーを塗る前の足付け

サフェーサーを塗る前には、塗装面をしっかりと足付けしておく必要があります。

足付けが甘い場合は、剥がれの原因にもなるのでしっかりと行います。

 

塗装前の足付け

サフを塗る場合は、塗装面を何かしら補修していることがほとんどです。

パテの場合は、#120~240で

傷の補修なら#320~400で、

もうペーパーが当たって、キズが付いている状態です。

ここを、補修面よりも少し広い範囲で#320~400で軽く傷が付く程度に擦ります

こうすることで、サフェーサーにフェザーエッジを付けやすくなります。

 

 

サフェーサーのマスキング

サフェーサーは塗るとかなり広範囲にミストが飛びます。

写真の例で言えば、フロントバンパーを塗っても、

リアドアくらいはまでは軽く飛びます。

もし、マスキングをしていない所にサフェサーが飛ぶと、

ミスト状に、白い点が無数についた状態で硬化してしまいます。

外で塗った場合は、風で余計に遠くまで飛ぶこともあります。

 

サフェーサーは、頑丈にマスキングする必要はなく、

ミストがボディに付かなければ、それでOKです。

なので、マスカーや養生紙など高価な材料ではなく、

新聞紙で十分に隠すことが出来ます。

大事なことはミストがボディに付かないようにすることなので、

広範囲に隠すようにして下さい。

 

そして細部を隠す場合は、素手では何かとやりにくい場合があります。

そういう時は、僕はパテヘラを使うんですが、薄くて先が尖っているものが

重宝します。

 

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サフェーサーの塗り方

サフェーサーの塗り方ですが、コレは使う道具・用途によって幾つかに別れます。

共通することは、塗り重ねる間に、しっかりと乾燥時間を置くこと。

指触乾燥するまで待つことが必要です。

 

・缶スプレーの場合

缶スプレーは、その構造から塗料がとても薄くなっていて

その分希釈しているシンナーが多いのが特徴です。

その為、一気に塗ることはせず、1回塗って指触乾燥させ

その要領で隠蔽するまで塗り重ねます。

一気に塗りすぎると、垂れるだけではなく、表面だけ乾いて

中が半乾きの状態になり、後々不具合を起こす可能性があるので注意が必要です。

 

スプレーガンで塗る場合

スプレーガンで塗る場合は、サフェーサーの濃さを調整できるので

色々な補修が可能になります。

 

スリキズの補修の場合

この場合、塗膜だけを削り落としているので、それほど塗り込む必要がありません。
指定のシンナー希釈で、2~3回乗せるだけで、きれいに肌を作ることが出来ます。

 

パテ補修の場合(軽度)

バンパーや、その他パテを薄く付けた程度の軽補修の場合なら、

少しだけ濃い目のサフを作り、3~4回乗せればOKです。

 

パテ補修の場合(ガッツリ)

大きな歪みを修復している場合などは、綺麗にパテ補修していても

歪みが心配になるものです。

その場合、シンナー希釈を減らした濃いサフを作り、スプレーパテの要領で、4~5回乗せます。

そうすることによって、サフの膜厚で多少の凹みを盛ることが出来、

削り込むことによって、肌をツラにしやすくなります。

 

サフェーサーの乾燥時間

 

サフの硬化時間は、60℃×20分 が、メーカー指定の時間です。

ですが、その時間でも厚塗りをした場合、乾燥が甘い場合があります。

その場合、もう少し温め、触ってしっとりしなくなるまで乾かします。

 

サフェーサーは、塗りも大切ですが、硬化させることの方がもっと大切です。

硬化させなかった場合、それは硬化不良と言われ、

艶引き、塗膜の硬化不良、剥がれなど、様々な不具合の原因となります。

 

このように、熱で温めることを強制乾燥といいます。

サフェーサーは60℃で乾燥・硬化の速度が急に上がります

プロの場合は作業効率を上げるために、このように強制乾燥させるわけですが、

プライベーターの場合、このような強制乾燥をさせるのは難しいと思います。

夏場であれば晴れた日に天日干しをすれば、アツアツになりしっかり乾くのですが、

そうでない場合は自然乾燥になります。

自然乾燥の場合、夏場であれば1~2時間も置いておけば乾燥しますが

冬場の場合はそうは行きません。上っ面は乾いても、中が乾燥していない場合があるので

様子を見ながらですが、数日は置いたほうが賢明です。

小範囲であれば、ヒートガンを使うことで乾燥時間を短縮させることが出来るので、

購入することをオススメします。

 

サフェーサーの乾燥後の研ぎ方

サフェーサーは塗って硬化させただけで完成ではありません。

しっかりとペーパーで研ぎ、肌を綺麗に調節し、

そのキワにフェザーエッジ(だんだん薄くなるキワのこと)を作る必要があります。

 

 

乾燥後の研ぎ方

サフェーサーが乾燥したら、今度は研いでいきます。

研ぎ方には2種類の方法があります。

 

水研ぎ

耐水ペーパーを使い、水に付けて擦っていく研ぎ方です。

水につけることによって、パテ粉が舞うこと無く研ぐことが出来ます。

 

空研ぎ

空研ぎ用のペーパーを使い、当て板に付けて擦っていく研ぎ方です。

水に付けないので、乾燥させる手間が省けて作業スピードは向上します。

 

上記のどちらの研ぎ方でも問題はありません。

研ぐ番手ですが、必ず足付けしたペーパーより低い番手にします

同じ番手にすると、フェザーエッジが付けにくくなり、研ぎ続けると

サフェーサーを削り取って、パテや鉄板といった下地を出してしまう可能性があります。

なので、分厚く塗った場合を除き、サフェーサーの研磨は#600をオススメします

 

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プライベーターの方は

DIYで作業する場合、ラッカータイプの缶スプレーで

十分に綺麗に仕上げることが出来ます。

ただし、乾燥時間には、十分に気をつけてください。

自然乾燥では、夏の天気が良い日なら1日で乾燥しますが

冬場の気温が低い時は、数日(3~4日)置いておくほうが良いと思います。

そして、効率よく作業するために、缶スプレーによる厚盛りは避けて、

薄く塗り重ねるようにして下さい。

もし余裕があるなら、ヒートガンを購入されることをオススメします。

 

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注意すること

サフェーサーは、塗装することで補修箇所に、綺麗な塗膜を作ることが出来ます。

多少の傷も埋めることが出来るのですが、その粗さにも限界があります。

パテや補修するために削った箇所なら厚塗すれば、#240でも埋めることが出来ますが、

問題はそのキワ。端っこです。

サフェーサーのキワの荒いペーパー目は、消すことが出来ません。

このままベース塗料を乗せてしまうと、このペーパー目が

そのまま残ってしまうことになるので、サフェーサーを塗る前に

細かいペーパーで当て直して塗装するようにして下さい。

 

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まとめ

サフェーサーは、自動車塗装には欠かせない下地塗料です。

綺麗に仕上げるためには、下地処理が要になり、

そのため、このサフェーサー処理を飛ばしてしまうと

綺麗に仕上げることが出来なくなります。

 

サフェーサーを塗る時は、しっかりと足付けと脱脂をして、

あまり厚塗りをせず、回数を分けて塗り重ねるようにして下さい。

そして、サフェーサーは結構ミストが飛ぶので、

広範囲に、なんなら全体を隠すくらいの勢いでマスキングするようにして下さい。

綺麗に仕上げられるかどうかは、このマスキングにかかっています。

 

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