日野 自動車塗装日記

自動車塗装日記#85 次世代塗装サーモテクトライムグリーン

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いちころです。

以前にTwitterでフォロワーのポールさんに教えていただいたのですが、

現行プリウスのライムグリーンはちょっと特殊な色で

熱を反射して、クルマの表面温度を上げにくくする色だそうです。

詳しくはコチラ

TOYOTAホームページ PLIUS

TOYOTA 最新のボディーカラー技術

 

すごい技術ですよね。もともとベース塗料にはカーボンブラック粒子と言いうものが

塗料の定着の安定性のために入っているんですが、その粒子は熱を吸収しやすく、

結果、車体温度を上げることになります。

トヨタの新色、サーモテクトライムグリーンは、その名前の通り

熱を反射し、車体温度を上げにくくする効果があるそうです。

もともとこのサーモテクトとは、遮熱塗装として、建物の外壁や

屋根などのリフォームなどでよく使われる塗料なんですが、

それをクルマのボディカラーとして採用されたのが、今回のプリウスです。

見た目も派手で、何か外国のカーレースの映画にも出てきそうな色ですね。

 

それはいいんです。いいんですけどね・・・。

 

僕ら塗装屋としたら、『これってどうやって塗るの?』ということの方が重要なんですよ。

大粒系酸化チタンって何?

どうやって入れるの?普通のガンで行けるん?

というか、入れなかったらどうなるの?

 

・・・と、疑問は沢山あったんですが、今日その問題が解決しました。

それがコレです。

普通に見本帳に載ってました・・。

黄色をメインにベースカラーを作り、その上からホワイトパールを乗せて

クリヤーで押さえる3コートパールですね。

パット見はソリッドに見えるんでけど、やっぱりパールでした。

残念ながらチタンは入ってないようで、もし事故を起こせば

せっかくのサーモテクトもなくなってしまうということですね。

サーモテクトグリーンのプリウスオーナーの皆さん、注意してくださいね。

 

では今日の作業はコチラ

『コレ塗っといてー』と言われて渡された、おそらく何かのトラックのマッドガードと

どこかの蓋のようなパネルの塗装です。

時にコレといった指定もなく、とりあえず見本を渡しておくからこの色に塗ってくれとのことでした。

では早速作業していきます。

 

まずは部品のチェック。

蓋の方は、箱に入っており、プチプチに包まれていました。

電着プライマーが乗っている普通のパーツですが・・・

ギズが入ってるやんけ!

凹みはしていなかったんですが、何か尖ったもので引っ掻いたようなキズでした。

普通のパーツでこんなの持ってきたら即返品ですが、そんな仕事でもないので

ダブルアクションで擦って消しておきます。

 

次にマッドガードです。

コチラは電着プライマーのような、なにか薄いプライマーが塗布されていますが、

スポットの後や、その他あちこち剥がれているので、足付け後、サフェーサーを乗せます。

 

そして、今回新しく使うサフがコチラ

イサム塗料 ウルトラサフ FinePlus です。

 

取引先の塗料屋さんが2件あるんですが、そのうちの1件がイサム塗料をメインに扱っていて、

この新商品をススメてくれました。

実は僕は、坊主の頃からイサム塗料を使っていて、この塗料で腕を磨いてきました。

慣れ親しんだ塗料メーカーなんですが、今ウチで使っている塗料はロックペイント。

これって使っても大丈夫なのかとメーカーに訪ねたところ、

問題ないという答えを頂いたので、今回購入しました。

このサフのウリ文句は、とにかく作業性の向上。

それだけなら、どんな商品にも当てはまることですよね。

ちなみにカタログはコチラ

硬化剤20%に、目的に合わせたシンナーの希釈をするようですね。

では、今回は、ノンサンディング使用で行ってみたいと思います。

 

ノンサン仕様は電着プライマーと同等の仕様のようですね。

あれぐらいの肌でサフが仕上がれば、それは作業性はすごく向上します。

では、希釈40%で行ってみます。

 

先ず驚いたのが、試し吹きに一発飛ばしたときのサフの出方です。

すごく柔らかい。

ロックの塗料の場合は、もっと硬い感じなんですが、コレはぜんぜん違う。

早速塗ってみると、これにもまた驚きました。

希釈40%というと、相当溶剤が薄くなっているはずなんですが、

隠蔽性がすごい。この希釈で、ほぼ1発でとまりかけています。

エアブローで指触乾燥させ、ちょっと触ってみると、塗膜のラウンドが殆どありません。

それは、ノンサン仕様なので当然やんけと言われそうですが、それでも

この肌と隠蔽性には驚きました。

つづいて2回目。

通常通りセミウエットで乗せていきます。

エアブローで乾燥させると、それはもう電着プライマーのような細かくきれいな肌に

仕上がっていました。

もうこれは、ちょっと感動モノでしたね。

え?サフってこんな綺麗に塗れるんや、って。

 

いつもなら希釈を多めにして塗っても、希釈した分隠蔽しにくいため、

重ねて塗る必要がありました。

そうすると、当然ラウンドは出来ます。

ところがこのイサムのサフは、隠蔽し易いため、回数を塗る必要がなく、

結果電着プライマーのような肌に仕上げることが出来るというわけです。

 

もうね、最初はちょっと疑ってたというか、

まぁ普通やろ?くらいに思ってたんですよね。

ところがこの仕上がり様です。もう、ホントびっくりしました。

これはもう、追加購入決定です。

サフェーサーはイサム塗料で行きます。

ちなみにイサム塗料の工場はコチラになります。

興味にある方はぜひ使ってみて下さい。

イサム塗料株式会社 HP

 

乾燥後、肌はきれいなんですが、ブツが付いているのでそこだけ研ぎ落とし

次は調色です。

 

こういった部品の調色でよくあるのが、

部品をポンと渡されて、この色に塗れというものです。

いわゆる目合わせですね。

こういったトラックのオリジナルカラーはソリッドが多いのですが

この程度なら何とかなります。

白60%、青40%から調色していき合わせていきました。

9割ほど合ったので、そこで調色終了です。

白がベースのため、乾燥後、おそらく白っぽくなるだろうと踏んで

少しだけ濃い目に合わせました。

早速塗っていきます。

 

まずは裏面です。

マッドガードは、本来ならチッピングコートをしておいたほうが良いと思うんですが、

そんな必要はないとのことでした。

クリヤーも塗らなくても良いと言われているので、硬化剤を入れてベースを乗せました。

 

続いて表面です。

サフがきれいなので、ベースの乗りもすごくいい感じです。

2回できっちりと隠蔽させることが出来ました。

はだちょうせいをして、次はクリヤーを乗せていきます。

 

コチラも問題なし。

厚塗りはせず、2回塗りです。

多少ゴミは付いてしまいましたが、それでも何か、いつもと肌が違うような気がします。

細かいから、クリヤーも光って見えるんですよね。

やっぱりサフは重要ですね。再認識しました。

 

しっかり乾燥させて、明日磨いて納品予定です。

 

続いての作業はコチラ

 

何処かで見た宝くじ号がふたたび入庫です。

今回はフロントバンパーの修理でお預かりしました。

(以前の修理の様子はコチラ

 

前回の入庫の際は結構泣かされましたが、今回は範囲は少しなので

何とかなりそうですね。

 

このリエッセは、バンパーはトラックらしく鉄で出来ています。

なので、曲がれば修理が大変なんですが、今回は軽い凹み程度なので

パテで修復しました。

では早速作業していきます。

 

すでに1回パテをして、2回目のパテなのでこれで決めていきます。

#180で研磨し、様子見。

パテの外側を削り落とし、中側を手研ぎで様子を見ていきます。

凹んでいた所を削り脱ぎないようにして、#240まで落としました。

歪みを抜き、旧塗膜の研ぎ残しを落として、サフェーサーを塗って行きます。

 

今回はスプレーパテ仕様で行きます。

シンナー希釈は~10%。

0は流石にマズイので、10%希釈で。

エアブロー脱脂をしっかりとして、サフを塗装していきます。

 

サフ1回目。

希釈10%なのにキワのザラつきが少ない・・?

スゴいサフだな。イサムのサフは。

鉄で出来ているので吸い込みとかはないと思いますが、

一応1回目は薄めに行き、様子を見ます。

この時点では何の問題もありません。

続いて2回目。

※注 人差し指です。

この指先のトコロ、ちょっと分かりにくいですが、サフの段が出てしまいました。

触った時はそんな歪は無かったんですが、結構盛り上がっています。

ほんと、丁度パテの所です。

ここまで来て、サフを落として削り直すのもなんなので、

この高性能サフでなんとかします。

といっても、膜厚を付けるくらいしか出来ることはないので

早速やっていきます。

上から重ねすぎると垂れるので、指触乾燥まで待ち。

乾いたら、

段差の低いところとの境目を狙って、ドロップで乗せていきます。

真ん中辺に2本筋がありますが、このあたりが盛り上がって見えた所です。

ドロップで2回乗せたので、結構な膜厚になりました。

これを研磨すれば、キッチリ歪が抜けるはず。

しっかりと乾燥させ、明日研磨して塗装していきます。

 

 

今日はホント寒かったですね。

雪国の人からしたら甘いかもしれませんが、こちらもちょっと雪が降ったんですよ。

ま、積もるほどではないんですけどね。

天気予報によると明日も寒いそうなんで、

防寒をしっかりとして、明日も頑張りましょう。

 

今日はここまで。

お疲れ様でした(`・ω・´)ゞ

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