マツダ 自動車塗装日記

自動車塗装日記#87 難易度の高いパテ作業

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いちころです。

 

パテ修正は、修復する範囲が狭いほど修正がしやすく、

反対に範囲が広ければ広いほど難しくなります。

今回作業しているビアンテは、まさにそれで、

その中でも、最も難易度が高いスライドドアの鈑金です。

高張力鋼板という鉄板を使っているため、火をいれると

とにかく歪みます。

僕の上司が鈑金担当なんですが、

その鈑金の段階で、あちこち歪みが逃げて本当に苦労したそうです。

その作業が、今日、僕の所に回ってきました。

ヘタをすると、パテの硬化の熱でも歪むこのドアを

何とか、どうにかしていきます。

 

今日の作業内容はコチラ

はい、ビアンテのスライドドア・クオーターパネルの鈑金塗装です。

高張力鋼板の修正後ということで、もう鉄板を抑えただけでペコペコと音が出ます。

反対側や他の箇所もやってみましたが、同じようにペコペコでした。

もともと軽量化を考えての鉄板らしいのですが、

鈑金・パテ修正にはあまり向かないようです。

クォーターパネルなどは範囲が狭いため、絞ってカチカチになっていますが

こう範囲が広いと、もう仕方がないですね。

 

お客様にも、

『もうすぐ乗り換えをするので、大体で良いです』

と言われていますしね。

おっしゃる通り、大体で行きます。

 

・・・・・って、そんな分けにいくかい!

たとえ低料金でも、大体でいいとお客さんが言ったとしても、

だからと言ってそれを理由に適当に作業するなんざ、オレ的に許さん。

当然ながら全力で行きます。ただし時間制限付きで。(昼まで)

そこはしっかり決めておかないと。仕事なんでね。

気分だけで長々と作業は出来ません。

ということで、4時間以内にサフまで行きます。

 

まずはガイドコートを全体に塗布します。

ここで、いきなり研いで行く人をよく見かけます。

というより、殆どの人がそうしてますよね?僕も以前はそうでした。

いきなりガイドコートって、何の意味があるねん?って。

でもコレをすることによって、実はパテの研ぎ過ぎを防ぐ(減らす)ことが

出来るんですよね。

 

まず、1発#120で通しました。

パテ枕がよく分かりますよね?

問題なく歪を抜くことが出来る人はスルーしてもらってかまわないんですが、

そうでない人。僕を含め、パテを研ぎすぎる人って、

研ぎ始めてからどこで研ぐのを止めますか?

案外、勘というか『コレぐらいでいいか?』と大体で行ってませんか?

大体研いで、手で触ってまた研ぐ。

何回もやってるうちに、血の感覚が麻痺してきて、高さが分からなくなってしまう。

そしてそのまま研ぎ続けて、結果研ぎ過ぎてしまうというのが

よくあるパターンだと思います。・・・・・ですよね?

さっきも書きましたが、それを防ぐのがガイドコートです。

 

今、1回通したところです。

研げているところと、ガイドコートが残っているところがありますよね。

ダブルアクションを平面に当て、通して高いところが研げているわけです。

ここが高い所なので、まずはここを研いでいきます。

 

『そんなん知っとるわ!バカにすんな!』

という声が聞こえてきそうですが、それは知っているだけですよね。

ガイドコートを塗布しなければ、目視は出来ません。

手で触って感覚で研いでいくしかありません。

コレが出来る人なら、ガイドコートなんて必要ないのですが

僕らは目視が出来たほうが、確実に精度が上がるはずです。

なぜなら、手だけでは正確さに欠けるから。

ガイドコートは、高さを目視するために使います。

 

研ぎ進めていくと、高いところが徐々に低くなって

こういう状態になることがよくあります。

これは、ガイドコートが残っているところが低いわけではなく、

まだその上が、高い状態です。

なので、そのまま何も考えずに研いでいくと、

今残っているガイドコートの線のを超えて、その下のパテを研いでしまうことになり、

結果、歪が出ます。

というより、削って自分で歪を作っている状態です。

もうお分かりのように、ここを研ぐには上のみを研ぐ必要があるのですが、

ガイドコートを塗布していなければ、コレすらも目視しにくくなります。

ここで目視で確認しながら、高いところを削っていくことで

研ぎ過ぎを防ぐことが出来るというわけです。

 

全体を#120で当て、とりあえずパテ枕を削り終えました。

まだまだ凸凹の状態です。

ここでもう1度ガイドコートを塗布し、今度は削りながら

手で確認しつつ、研いで行きます。

 

ここで、

『問題なくパテを研ぐことが出来ました!歪みも抜けてます!』

といいたいんですが、そんなに甘くはありません。

歪はあちこちにあるのですが、指を広げている範囲が大きく歪んでいます。

これは研ぐとかではもう無理で、完全に高さが足りません。

ここで、もう1度パテを付けていきます。

 

低い所にパテを盛り、周りから集めるようにして付けていきます。

その後、熱源で硬化させるんですが、熱での歪を少しでも押さえるため、

コレぐらいの距離であぶっていきます。

 

ガイドコートで枕を確認。

○で囲んだところが歪んでた箇所で、今はパテを盛っているため

高くなっています。

これを上手く研いでいきます。

 

丁寧に研いで行き、横方向はそこそこ行けます。

ですが縦方向は、こんな感じで、少しだけ歪んでいます。

斜線の所が低い所です。やっかいですよね。

これを#180で様子を見ながら研ぎ、歪を抜いていきます。

 

#240で全体を当て直し、肌調整をします。

ツルッとしているせいか、歪みは抜けたように見えますが、実はまだあります。

このパテの状態は

『触ったら分かるけど、見るだけなら分かりにくい』

状態に仕上げています。

歪みの詳しい説明は省きますが、このやり方が、いわゆる誤魔化しです。

歪みの両端を広く研ぐことによって、分からなくしています。

本当なら、しっかりと歪みを抜かなければならないのですが

それが難しい場合は、このように誤魔化しを使います。

 

パテの周りを#320で研ぎ直し、サフェーサーを塗っていきます。

 

スプレーパテ仕様でサフェーサーを乗せていきます。

これで、多分7~8回塗りました。ベタベタです。

ですが、スカシで見ると歪みが抜けているように見えますね。

乾燥させ、何とか昼までにサフまで終わらせることが出来ました。

 

乾燥後、昼からサフの研磨をしていきます。

 

紙をめくり、サフを研磨していきます。

最初はいつも通り#600で研いでいたんですが、膜厚が付いてしっかり硬化したサフは

非常に固くいので、歪み抜きをかねて、軽く#320で研いで行きました。

やはり歪が気になりますが、大きく研いで行き

最後は#800で当てなおして、最終確認です。

 

おK.抜けた。いや、抜けたようにみえる。コレで行こう。

もー、いいでしょう。これ以上はムリですよ。

最後にもう一度ガイドコートを塗布し、ペーパー目、スアナの確認をします。

問題ないことを確認し、全体を足付け。

次は調色をしていきます。

 

色番号は35J。

黒に青と紫を足して、青とピンクのパールを入れる感じですね。

この中で肝になるのが、インダンスレンブルー。

長ったらしいなまえですが、これは代用の効かない色です。

青は大体赤味なんですが、このスカシのくすんだ赤が厄介で

この色でないと出ません。

そのことに注意しつつ、ちょっと多めに200グラム作りました。

さっそく比色です。

 

ちょっと分かりにくいですが、じっさいはコチラが黒赤くなっています。

あっちはもっと薄く、黄色い。

白くするにも5Bと2Pしかないですが、コッチが赤いので2P(ピンク)は使えません。

白見はそれでいいとして、黄見はどうするか。

しろっぽくしても、赤味が消えて黄色っぽくなるとも思えん。

そこで他のチップを見ると、ブラックが入っていました。

コレは、正面が黄色みの黒なんで、多分コレなので使います。

赤味を消すのに十分の一の緑を使います。

 

2回目の比色がコチラ

惜しいがまだ赤い。そして濃い。

ですが方向は合っているので、もう一度緑と5Bを入れていきます。

続いて3回目。とうりゃ!

 

おっけ。行った。コレで行こう。

8~9割は合いました。うすくしたため、若干スカシが

コチラのほうが薄いですが、それもほんの少しなので

ボカシ際が黒くなることを考えて、これでOKとします。

エアブローをして、ブースに入れていきます。

 

じゃい。何とか明るいうちにブースに入れることが出来ました。

明日、全体をスコッチで足付けし直して、その後作業を進めていく予定です。

 

今日の作業はここまでです。

 

今日、Twitterで知り合った 1963ハローAE86様から

突然連絡を頂きました。

大阪の方なんですが、コチラに来る用事があるので会いませんかと

わざわざ誘ってくださいました。

さっさと仕事を片付け、顔を洗って用意をしていたんですが

残念ながら時間の都合で、今回はお会いすることが出来ませんでしたが、

誘っていただいて、本当に嬉しかったです。

その後、なんとうちの工場まで来られて、ビールの差し入れまでいただきました。

ハロー様、本当にありがとうございました。

この場を借りて、改めてお礼申し上げます。

また機会があれば、誘って下さい。

 

 

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