ダイハツ 自動車塗装日記

自動車塗装日記#95 トマリの良いシルバーの塗装

投稿日:



いちころです。

このブログでもしょっちゅう『隠蔽性(トマリ)』という言葉を出していますが、

この言葉を出す時って、大抵トマリが悪い時です。

『隠蔽性が悪いので~』と言った感じですね。

 

でも塗装する色は、隠蔽性が悪いものばかりではありません。

当然、しっかりとトマるものもあります。

 

今回はシルバーを塗ったんですが、このシルバーという色は、

トマリが良いものと悪いものとでは、塗り方というか注意する所が

全然違うんですよね。僕的に。

体感的にですが、トマリの悪い色はボカシやすく、反対に良い色はボカシにくいです。

 

『は?逆やろ?』

と言われそうですが、実際逆ではないんですよね。

シルバー系は、ボカすとキワが黒っぽくなる傾向があります。

これは、ウエットで塗っている所と、ドライで塗っている所の違いで

こうなるんですよね。

ウエットで塗ると、膜厚があるで色の浮き沈みがあり、

乾くに連れてメタリックがキレイに並んでいくのに対して、

ドライで乗せた所は、膜厚がないので色の浮き沈みがなく、

乾いてもメタリックがキレイに並ばないため、

ウエットで塗ったところよりも黒っぽくなります。

これは、メタリックの並びの違いによって起こるわけですね。

『キワが目立つ!黒っぽい!』という経験をしたことがあると思いますが、

コレが原因です。

こうならないために、調色の段階から黒くなることを見越して

少しだけ白めに合わすのがメタリックの調色の基本ですが、

僕的に、それだけではキッチリとボカすことが出来なかったので、

塗り方にも工夫をする必要がありました。

今回の作業は、そんなトマリの良いメタリックの塗装です。

 

では今日の作業はコチラ

はい、アトレーの塗装ですね。(前回までの作業はコチラ

 

フロントフェンダーは新品が届いたので、サフェーサーと内板色を塗って

組付けを行いました。

今日はここからの作業になります。

エアブローと脱脂をしっかりと行い、早速塗装開始です。

 

ベース1回目。

アンダークリヤーを先にドア全体に乗せたのですが、

今回はシンナー希釈に標準シンナーを50%混ぜました。

乾燥を遅くさせるということもあるんですが、トマリが良いシルバーを塗るための

ちょっとした小細工です。

これでベースを2回乗せているんですが、繋ぎ目のところが黒くなっているのが

分かると思いますが、どうですか?

よく見ると、少し黒くなっているのが分かると思います。これがキワです。

 

続いて2回目。

フロントドアの3分の1ほど乗せた状態ですが、キワがバッチリ分かりますね。

というより、真ん中辺りが広範囲に黒いです。

この時点で、ベースのシンナー希釈は70%。

キワはともかく、これぐらいの濃さにしておかないと、フェンダーの色が止まらないんでね。

とりあえずここまでは、これでOKです。

次からちょっと小細工をしていきます。

 

ベース3回目。

まずはアンダークリヤーを標準60%、速乾40%にしてダフルコートで載せます。

ま、これは普段からこうしておいても良いんですけど、

要するには、ベースを乗せ終わるまで、絶対に乾燥しないようにするために

乾燥の遅いシンナーを多めに希釈しているだけです。

次にベースですが、もう色はトマっている状態です。

なので実質、ムラ取りのような塗り方をします。

2回目までのシンナー希釈は70%。

それを85%にします。

トマリのいい色とはいえ、結構薄い状態です。

これを、エアー圧を2.0から1.5に落とし、ドロップで乗せます。

この時点で、キワをボカシてしまいます。

というのも、ここでまだ乾燥していないアンダークリヤーに乗せるように塗ると、

こちらのベースが薄くなったのと合わさって、このトマリの良い色を、

キレイにボカスす事が出来るからです。

続いてムラ取り。

様子を見ながらですが、もしここで結構ムラが残っているようなら

シンナーを5~10%足して行きます。

僕の場合、全体の色をを調整するように、最後に10%希釈して

3回目よりも薄く乗せていきます。

最後にボカシ際を、ドロップで乗せ、様子を見ます。

斑が取れているか確認できるのは、塗った直後。

塗料に湿り気がある状態の時だけで、乾燥してしまうと何か見た目がキレイになってしまって

判断することが出来なくなってしまいます。

クリヤーを塗ったらムラが出てきた!という人がいますが

これはクリヤーのせいではなく、最初からムラが取れていなかったんですね。

塗装屋あるあるです。

そうならないためにも、湿っている状態で判断します。

指触乾燥後、クリヤーを乗せていきます。

 

クリヤーを乗せ終わりました。

今回のシンナー希釈は、標準50%、速乾50%です。

乾燥が遅いので、3回ともセミウエットで乗せました。

肌を見ながら塗ってるんですが、普通の塗り方では

何処かでウエットで乗せると思うんですよ。実際僕もそうしてましたし。

 

ま、これは好みの問題かもしれないんですけどね、ウエットでベタッと

乗せてしまう塗り方よりも、3回とも同じ吐出量で、同じ乗せ方をした方が、

僕的にキレイに仕上がるんですよね。

要は、3回目にやっと肌が決まる感じです。

そして肌が伸びることを予想して乗せるので、

キワだろうが、穴だろうが、逆アールだろうが、まず垂れません。

クリヤーを乗せすぎていませんからね。

それプラス、塗りの間の乾燥時間もウエットより速く、僕の場合は5分です。

それだけでも、作業時間を短縮することが出来ます。

 

で、最後にブツ。

これは、僕的にですが、この塗り方をすると

いわゆるダメなブツってあるでしょ?乾燥後に埋まってしまうような

大きなブツです。アレが付きません。

ガンから出るとかいうのは除いて、静電気によって付くブツが、

全く無くなることはないですが、ホント少なくなります。

 

これは、結果から言えることですが、多分塗るペースを変えないで

3回とも同じ乗せ方をした方が、ブツを減らせると思うんですよ。

あくまで体感なんですけどね。

 

で、続きです。

乾燥後、外に出して色を確認します。

 

ムラはなし。垂れもなし。

フェンダーとボンネットの色のズレも、許容範囲。

大きなブツもなし。

とりあえずOKです。

 

このまましっかりと磨いていきます。

いい感じで肌が決まりました。

 

ここで言えるのは、やはりクリヤーをウエットで塗っても

僕のようにセミウエットで塗っても、均一に乗せていくことが重要です。

『そんなん、当たり前やんけ』

と言われそうですが、それなら自分の塗りを確認してほしいんですが、

塗りムラは全く無いって言い切れます?

クリヤーがきっちり乗っているところと、足りない所が

同じパネルの中で全くありませんか?

全く無いという人は、もうスルーしてもらっていいんですが、

僕の場合は、ウエットで載せている時は、

垂れを警戒して塗り込めないことが結構ありました。

それをセミウエットに変えることによって、

『この塗り方なら垂れない!』

という、どこか心の余裕が出来て、肌を均一にすることに

集中できるようになりました。これは結構大きいことです。

 

塗り方は人それぞれで、僕も色んな塗装屋を見てきましたが、

その人達に共通して言えるのは、自分の塗り方をしっかり持っているということ。

それぞれ違いますが、結果その全てがキレイに仕上がっています。

『オレはこうやってるけどな』

と、やり方を聞くと、みんなそろって答えは一緒です。

 

塗装は本当に奥が深い。何年やってもそう思います。

もっと色々研究して腕を上げます。

 

今日はここまで。

お疲れ様でした(`・ω・´)ゞ



-ダイハツ, 自動車塗装日記

Copyright© 自動車塗装 いちころペイント.net , 2018 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.