ダイハツ 自動車塗装日記

自動車塗装日記#98 ドアの広めのバテ修正とブロック塗装

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いちころです。

 

事故を起こしてクルマが凹んだ場合、

あまりにもひどいダメージの場合は交換しますが、

その他の場合は、鈑金して修正しています。

 

パテ修正の場合、やはり平面のパテが一番難易度が高いように思います。

わかりやすい例で言うと、ハイエースのスライド。

または右側ですね。ドアより後ろの。

こういった平面を、鈑金してパテで直せと言われて、

顔色1つ変えない人は、きっと凄腕の鈑金・塗装屋の人だと思います。

 

僕のように、ごく普通のそこらのチンピラレベルの塗装屋からすれば

コレは結構難易度が高く、仕上げまで相当時間がかかることは

やる前から分かるほどです。

 

そして、高張力鋼板。

強度と軽さを備えた鉄板ですが、これを鈑金するとなると

かなりの難易度となります。

とにかく熱に弱く、伸びやすい鉄板で、

例えば絞るポイントを間違うと、歪みがどんどん逃げてしまい、

最初よりももすごい広範囲の歪みになることもあり、

最悪、交換になってしまいます。

そのため、見積もりの時点でムリだと判断した場合は、

即交換するといったことも珍しくはありません。

 

あとは軽四。

乗用車も軽四も、鉄板の厚さは、ほぼ同じだと言われています。

よく、『軽四は鉄板がペラペラ』とかいいますが、

切り口を見比べた感じでは、厚みはほとんど同じように見えますね。

乗用車のほうが明らかにぶ厚いということはありませんでした。

ですが、軽四のパネルは、やはり最初からペコペコで、

パテ修正していても、何かやりにくい様に感じます。

それは形状からなのか、骨の位置なのか、

そこまでは詳しく分かりませんが、とにかく柔らかい印象です。

思い込みかも知れませんけど。

 

今回は、そんな軽四のドアのパテ修正です。

では、今日の作業はコチラ

 

はい。ミライースの右リアドアの鈑金ですね。

このクルマのオーナーは、社長の知り合いで、ひいきにしていただいています。

といっても、このクルマを何度も修理しているという意味なんですけどね。

そして、もう何か必殺技の様に連呼していますが、このクルマも

値段を合わせた、安上げ仕様です。

ですが、モノが物のため、あまり適当に作業すると範囲が広がってしまうため、

しっかりと絞ってもらって、たわみが無いように仕上げてもらいました。

鈑金パテもしっかり盛ってあり、今日はここからの作業になります。

 

ガイドコートを塗布して、パテ枕を目視。

あ、なんかスアナが空いてますね。埋めておきます。

ここから#120で削っていくんですが・・・・

何かごっつ硬いぞ?#120が、パテの上で滑っています。

少しは削れるんですが、思ったほどではありません。

なんか、#320くらいでこすっているような感覚です。

これではどうしようもないので、#80で行きます。

荒いのがこれしかないんで。

 

動画を撮ってたんですけどね。何か再生されないんで、写真の方を上げておきますね。

しっかりと鈑金をしてくれていたおかげで、

1回で決めることが出来ました。

下のほうが大きく歪んでいるんですが、

これは範囲が広すぎるため、角を落として厚めにサフを乗せる方向で行きます。

ここから#320で足を付けて、サフェーサーを乗せていきます。

 

今回も、イサムのウルトラプラサフを、シンナー希釈なしの

スプレーパテ仕様で乗せていきます。

ここでサフの乗せ方なんですが、皆さんはどうやって塗りますか?

『そんなもん、普通に塗るだけやんけ』

と言われると思いますが、じゃ、普通って?どうやるの?

ということで、ちょっと僕のやり方を書いていこうと思います。

 

僕が今までいた工場で、そこの塗装屋の人が気にしていたのが、

サフのキワのザラつきです。

最初に1番広く塗っておいて、その後徐々に狭めていく人や、

その反対に、最初は狭く塗っておいて、徐々に広げていく人など、

おそらくは自身の経験から、一番最良の方法で作業していたんだと思います。

 

・・・が!

このキワって、削ったらキレイになるんですよね。

そんなに気にするほどでもないと思うんですが、こだわる人はこだわるようで、

そのまえに、そんなにキワが気になるなら、シンナーを1つ遅いものに変えたら、

それだけで問題解決です。

ざらつく前に、固まりませんからね。

 

ここでサフを塗る目的ですが、別にザラつかさないように

きれいに塗ることが目的ではありません。

それはベースであり、クリヤーの話です。

その目的は、肌を作ることであり、今回なら厚盛りをして歪みを抜くことです。

なので、僕の場合、歪みを抜きたい所に、先にサフを数回乗せます。

それこそ、パテを盛るような感じです。

その後、通常通り、均一に乗せていきます。

希釈がないので、それはもう、結構な厚みまで盛ることが出来ます。

そして、3枚目の写真を見ると、そこまでキワがざらついていないことが分かると思いますが、

その答えは、4枚目の写真にあります。

もったいぶる話ではないんですが、

要は盛りたい所は希釈無しで。キワは多めの希釈で、

例えばクリヤーのキワをボカすような感じで、多めに希釈したサフを乗せています。

こうすることで、少しはザラつきをマシにすることが出来ます。

 

厚盛りにすると、当然肌は高くなります。

削り落とす基準はこれで、ガイドコートを塗布し、

このサフの目を削り落とし、歪みをよく見ながら削っていきます。

あらかじめ、厚盛していた所は当然高いので、

ここも削りすぎないように注意です。

 

と、ここで問題発生。

高かった所を削り込んでいたら、サフを捲ってしまいました。

それでもまだ高かったので、もうええいてまえ!ということで

ツラになるまで削り込みました。

うっすら鉄板が見えているところが高くなっている所です。

そこは良くなったんですが、サフとの段差が付いてしまいました。

もういっちょサフを乗せていきます。

 

はい、もうついでなんで、ぐるっと行きました。

乾燥後に確認すると、歪みはきれいに抜けていたんで

このままエッジを付けて、サフェーサーは完成です。

 

続いて調色です。

白に青、赤、赤か・・。

ディープブルーとスーパーレッドで紫を作っておいて、オキサイドレッドの

黄色で寄せるか。

・・・・いや、赤は様子を見よう。

黄色っぽい白青にしておいて、赤で調色で行こう。

方向が決まった所で、早速調色です。

 

1回目。

予定通り、赤が足りませんね。

元の色が赤っぽいので、青と黄を足したコチラは緑っぽく見えますね。

コレを押さえるのは赤です。

スーパーレッドをちょんちょん足ていきます。

 

手こずること4回目。

多少黒いですが、乾燥したら白が登ってくるので

このくらいでとめておきます。

これ以上寄せたら、おそらくズレるのでここで決めておきます。

 

はい。マスキングが終わりました。

といっても、今回は安上げのため、新聞紙を使いました。

脱着も一切行わないため、すべてマスキングです。

この、バイザーのところが、ベタ塗りするとラインが出来てしまうので

ここはボカシていきます。

 

ベース1回目。

今回の色はソリッドですが、1枚キッチリとベースは乗せません。ボカシます。

アンダークリヤーをダブルコートで乗せ、ベースを乗せたんですが・・

何か白いですね。イケるか?

もう一度塗板と比色してみると、完全に塗り板の方が黒いです。

しばらく置いていると、狙った通り黒っぽくなってきました。

 

ベース2回目。

希釈は60%ですが、結構トマリが悪いですね。

まだ、真ん中の当たりが透けています。

でも、3回目でちょうど行けそうな感じなので、このまま乗せていきます。

 

ベース3回目+ボカシ

塗りたてで撮ったので分かりやすいですね。

塗った所が白っぽくなっています。

丁度、ラインより上がボカした所で、アウターハンドルの下辺りもそうですね。

 

乾燥させると、このようにいい感じで色が落ち着いてきました。

ボカシているということもありますが、もう違和感はないですね。

ブツも少なく、削り落とすほどの大きなものも付いていなかったので、

指触乾燥後、クリヤーを乗せていきます。

 

はい。クリヤーを乗せ終わりました。

今回は安上げということで、2回塗りで仕上げました。

 

いつもは丁寧に3回塗りで仕上げているんですが、

僕的にこの2回と3回の違いというのは、希釈するシンナーの種類です。

今の時期なら、まだ速乾を使う方が多いと思いますが、

僕の場合、ここで標準シンナーを半分入れるんですよ。

結構多いでしょ?

詳しくは分かりませんが、こうして乾燥の遅いシンナーを使うことで、

結果的に、2回塗りでもキレイに艶を出すことが出来ます。

3回目を行くと、もう塗り過ぎになってしまい、多分垂れるような気がするので、

クリヤーはコレで完成です。

 

ブースの外に出して比色です。

まぁ、Okの範囲。

写真で見ると、何か赤っぽく見えますが、実際に見ると

色の誤差は殆どありませんでした。

乾燥後、しっかりと磨き込んで完成です。

 

ソリッドは、どの色でもそうなんですが結構ブロックで行けと言われます。

坊主の頃は、ホントこのブロック塗りが苦手で、よく色をズラして失敗していました。

 

他の作業と同じで、調色の精度を上げるのも、経験だ、感だと言われています。

実際僕も『慣れや』と言われていました。

でも実際の所、いくらウン十年の経験を積んでいたとしても、中身が伴っていなかったら

結局始めて1ヶ月目くらいの内容を理解している坊主に、精度で負けることもあります。

実は塗装屋の中でも、この調色がニガテな人は結構多く、そのために広範囲をボカシて仕上げる

方法をとっている店も、実は少なくありません。

フロントドアを交換したら、側面塗ってくるような感じですよね。

 

この側面は極端な例ですが、調色ってホント難しいんですよね。

今回塗ったソリッドのように、角度で色が変わらないような色はまだ行けるんですが、

世の中には、メタリックやパールをブロックで塗る人もいるようです。

 

僕も、ゲートやボンネットなどはブロックで行くことも多いですが、

前見たHPでは、スライドドアだったと思いますが、パールをブロックで塗っちゃいました!

的な写真がアップされていました。

いや、塗るんは誰でも出来るんですけど、その店は、

肝心の隣接との比色まではしてないんですよね。

 

塗料メーカーに言わせると、完全に色を一致させるブロック塗りというのは

ムリのようです。

例えば、普通調色するときって日向だったり投光機だったりすると思いますが、

その光の波長は、まんま光によって違います。

午前中と午後では、太陽光でも反射する色の波長が違うため、

全く違う色に見えますし、投光機や蛍光灯なんかも全然違います。

日向と日陰でも変わりますし、なんなら床や壁の色が影響されることもあります。

ブロックで塗るということは、この全ての場合で合っていなければムリなんですよね。

合っていると思っていても、それは合っている方向から見ているだけで、

角度や距離を変えれば1発で違いが分かってしまいます。

 

『いーや。オレはブロック塗りで仕上げる人を知ってる!』

 

という人も今までいましたが、そんな人はぜひ塗料メーカーに助言してほしいですね。

だって、色を作っている塗料メーカーがムリだと言っている塗料を使って、

ブロックで仕上げているわけですからね。

その時点で、塗料メーカーの開発の人を超えているわけですよ。

それはある意味すごい人だとは思いますね。

 

僕はもう、ハナからムリだと分かっているので、ソリッド以外は

さっさとボカしてしまうんですけどね。

 

長くなりましたが、今日はここまで。

来週もがんばりましょう。お疲れ様でした(`・ω・´)ゞ

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