ニッサン 自動車塗装日記

自動車塗装日記#99 3コートパールの塗装方法

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いちころです。

 

塗装屋が転職する時、面接で聞かれる質問の1つに

君は3コートパールは塗装できるんか?

というものがあります。

また、塗装の初心者が、どれくらい腕が上がったかを聞かれる時にも

3コートパールが塗れるようになったかどうかを聞かれることもあります。

 

これって何故だと思いますか?

 

そんなもったいぶる話でもないんですけどね。

これは、自動車塗装の純正色の塗装は、大きく分けて

・ソリッド

・メタリック

・3コートパール

があるのですが、その中で1番工程が多く、難易度が高い塗装方法であり、

『これが出来たら何でも塗装できる』という、1つの基準となるためです。

 

現在は、様々な色が出ており、深みを出すためにパールを調色する色だったり、

単車などで人気のあるキャンディカラーや、その他カスタムペイントと呼ばれる

様々な塗装方法がありますが、基本は上の3色の合わせ技のもので、

純正色がきっちり塗れるのであれば、どの様な塗りであっても塗装は可能です。

 

この様に難易度が高いとされる3コートパールですが、

以前は高級車によく使われていましたが、

今では軽四でも純正カラーに設定されていることも多く、

街中でもよく見かける色ですよね。

 

今回は、この難易度が高いとされている3コートパールの塗装です。

この色も、やはり塗装屋によって塗り方が色々あるので、

今回は僕の塗装方法の紹介もしていきます。

 

では、今回の作業はコチラ

はい。JUKEの塗装です。

このクルマは、ウチの相方のもので、修理内容は

・左フロントドア中古に交換

・フェンダーのガーニッシュ、ステップの塗装

それと、前後パネルのボカシと、あとは小物も塗って行きます。

 

 

塗装方法としては、まずはガーニッシュを先に塗ってしまってから

ドアの裏面を塗り、組み付けてからボディを塗るという方法で行きます。

ではまずはガーニッシュからです。

 

キズ自体はそんな大したことはなく、変形もありませんでした。

ただ、こういった樹脂パーツには模様というか、特有の小さい点々の形があり、

パテ修正をすると、当然ながら点々が消えて、ツラになってしまいます。

樹脂パーツなので、当然つや消しなので、よく見ると修復箇所が1発で分かってしまいます。

これが気になる場合は交換になってしまうのですが、今回はもういいとのことなので

通常通りの修復で進めていきます。

 

ちょっと飛んでしまいますが、つや消し黒まで塗装しました。

修復箇所ですが、キズがちょっと深かったのと、範囲がほぼ1本なので、

ギアでツラに落とした後、サフを厚盛りし、その上からつや消し黒を乗せていきました。

特に問題はなし。

ガーニッシュはコレで完成です。

 

次はドアの作業にかかっていきます。

このドアは、ご覧の通り中古パーツなんですが、聞いた所に寄ると

このJUKEのドアというのはあまり在庫が無いようです。

本当なら、ボディと同色のものがあれば良かったんですが

物がないため、もう仕方がありません。

届いたパーツも決してキレイなものではなく、ご覧の通り

修復しなければならないようものだったんですが、まぁ新品を買うよりは安いので

コレはコレでOKです。

凹みはありましたが、それもエクボ程度のものだったのでパテ1回で収まりました。

サッシュは黒なのでココだけはマスキングをして、裏面を塗装していきます。

 

はい。塗装乾燥後、組み付けました。

本当ならドアを釣って、裏表一緒に塗装できれば手間を取らずに塗れるんですが、

ブースの広さが限られているため、この塗り方をしています。

でも、この組み付けて塗る方法は、たしかに1つ手間は食いますが、

特にパールなんかは安心して塗れるというメリットもあります。

 

メタリックにしてもそうなんですが、釣って塗った場合

確かに裏表一緒に塗れて作業が速いんですが、組み付けるまで色の確認が

出来ないんですよね。

唯一不安があるとするなら、そこです。特にパールは。

同じ様に塗れば、当然同じ色にはなるんですが、同じ様に塗っているつもりでも

色がズレることがあるし、また、毎回段取り良く行くとは限りません。

・大きなブツが付いてしまって、手直しをした

・トマリの悪い色で、予定回数より多く塗ってしまった

・ムラが抜けない

・キワがボカシきれていない

もちろん、これは他の色にも言えることです。

そんな失敗は絶対にしないという人はスルーしてもらっていいんですが、

僕らみたいな普通の塗装屋は、色んなことに警戒しないとダメなんですよね。

組み付けて塗るという作業は、不安要素の1つの、

『色がずれる』ということを防ぐことが出来るので、

手間は食いますが、その分メリットは大きいです。

 

はい。前後パネルの足付けも終わりました。

今回は保険仕事なんですが、従業員のクルマなので安上げ仕様で行きます。

手間は食いますけどね。

 

そういえば、僕が塗装を始めた頃、その工場では

マスキングはすべて拾ってきた新聞紙を使っていました。

工場の前が団地のゴミ捨て場になっていて、そこにたくさん落ちていたんですよね。

そのうち団地に人が捨てずにウチに分けてくれるようになったほどです。

その時のマスキングは、丁度こんな感じだったんですよね。

30や50mmのテープを使わず、なぜか15mmのテープだけでやってましたね。

もしかしたら、あれも経費の削減だったのかも知れません。

なので、50のテープをベタッと貼って隠すようなことは出来ないので、

新聞紙をこの様にカタチに合わせて貼っていました。

あ~、何か懐かしいですね。

今にして思えば、よくこんな手間なことしてたなと思いますが、

最初はコレしか知らなかったんですよね。ホント昔の作業方法です。

 

脱脂・エアブローをしっかりと行った後、最終確認として

ベースを乗せない箇所の汚れのチェックをして、早速塗って行きます。

 

はい。ベースを乗せ終わりました。

今日はとても暖かかったので、シンナー希釈は標準60%、速乾40%です。

 

標準シンナーで割ったアンダークリヤーをまずはダブルコートで乗せます。

この時点でクリヤーが乾燥するなら、シンナーが合ってないんですが、

今回は乗せた後、ベースを塗る時まで半艶で残っていたので、これでOKです。

ベースのシンナー希釈は65%。指定が80%からなのでちょっと濃いめですが、

体感的にこの希釈が1番トマリが良かったので、これで行ってます。

 

次が作業方法が分かれるところなんですが、

皆さんはベースをトメた後、どうしますか?

色々方法があると思うんですが、僕の場合、

この後アンダークリヤーを1発乗せといて、ベースをボカシます。

普通に、ベースをシンナーで希釈して乗せるアレです。

 

本来、ベースの色をしっかりと寄せることが出来るなら

この時点でキワが分からなくなっているはずです。

ですが僕の場合、この3コートパールはボディに塗って乾燥させると

塗り板に塗ったときよりも白黄色くなります。

それは、塗り方や乾燥のさせ方、色の沈みよって起こることは分かってるんですが、

もし色がズレていた場合、ニゴシでは押さえきれないため、万が一の保険として行っています。

肌調整にもなるし、そんな手間でもないんでね。

 

この時点で写真の通り、キワはキレイにボカせています。

これだけで次の作業が安心して出来ますね。

 

次はパールの基本のニゴシです。

ニゴシの色の作り方は、確かパールに5%程、ベースを入れるんだったかな?

何かそんな感じです。

僕の場合は、今まで使っていたベースのガンに入っている色を出して、

そのカップの中に直接希釈してあるパールを入れます。

ほとんど大体でやってるんですけどね。ホントは計ったほうがいいとは思うんですけど、

上手くいってるので、これでやっていきます。

 

ここで、さっきベースをボカシたのにニゴシまでやるんか?

と突っ込まれそうですが、・・・やります。

ニゴシとは、本来ベースとパールを上手くボカシてなじませやすくするのが目的です。

きっちりと調色出来ていれば、コレさえも不要なこともありますし、

実際、やっていない塗装屋も結構います。

ですが、確実に仕上げるため、もう1手間かけ、ニゴシでボカシていきます。

 

はい。ニゴシからパールまで乗せ終わりました。

パールは、塗板と同じ回数である2回乗せです。

この時点でキワが分かってしまうなら問題外ですが、

写真の通り、今回は上手く仕上げることが出来ました。

キワは、フロントフェンダーはウインカーの辺り、リアドアは真ん中あたりです。

指触乾燥させ、次はクリヤーを乗せていきます。

 

はい。クリヤーを乗せ終わりました。

今回は2回塗りです。

標準と速乾を半分ずつ入れて希釈しているので、2回でも十分な膜厚を付けることが出来ました。

15分ほどブース内で自然乾燥させ、肌と艶を確認してみると

写真の通り、いい感じに艶が出ていました。

なので、3回目は無し。

乾燥させ、明日磨いていこうと思っています。

 

今日はココまで。

明日もがんばりましょう。お疲れ様でした。







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