トヨタ 自動車塗装日記

自動車塗装日記#103 補修方法の色々

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いちころです。

 

補修のやり方は人それぞれといつも書いていますが、

それって何でだと思いますか?

 

例えばパテ補修をする場合。

・どのパテを使うのか?

・どの範囲にパテを付けるのか?

・何で研ぐのか?(手研ぎ・機械)

・何番のペーパーで研ぐのか?

・どうやってサフを塗るのか?

など、ザッと上げただけでもこれくらいはありますね。

ある人は、鈑金パテを厚盛りし、#80でガシガシ研いでいきます。

またある人は、ポリパテのみを使い、#240から、手研ぎで仕上げていきます。

 

これは、元の事故の状況や程度、または鈑金の方法によって変わってくるのですが、

要は、修復する自分が1番やりやすい方法でやっているからだと思うんですよね。

そこに明確な決まりは無いので、たとえ同じ現場や同じところで学んでいたとしても、

微妙にやり方が違ったりしますしね。

 

現場を変わると、色々と自分と違う、

または、自分の知らなかった修復方法をしている人を見ることが出来て

とても勉強になるのですが、

中には、これは・・・というような無茶な直し方をしている場合もあったしります。

直し方は人ぞれぞれと先程書きましたが、自分のやり方よりも段取りが悪いというか、

手間なやり方をしていて、それを引き継いで自分が作業する時、

場合によっては、結構大幅に手直しをするハメになることもあったりします。

・・・という経験ないですかね?

 

今回は、そんな『え?うそやん?』というような直し方を引き継いで

作業していきました。

その前に、今日の作業はこのクルマからです。

はい。先日塗ったプリウスですね。

塗り自体に問題はなかったので、今日は磨きからです。

外に出して、早速磨いていきます。

 

はい、磨き終わりました。

修復箇所に、少し歪が残っていたんですが、#2000で広めに落として

見た目には分からないところまで持っていきました。

 

こういったブツや歪みの手直しをした場合、塗装面の肌が削れてズルズルになることがあります。

周りと肌が違って、結構目立つんですよね。

これで行くのか、手直しをするのか。

僕の場合、例えば垂れた場合はほぼ手直しをします。

それは、たとえ垂れがきれいに取れたとしても、やはり肌が気になるからなんですよね。

もちろん、安上げの場合なんかはもうそのまま行ってしまいますが、

ここは塗装屋によって、やり方や判断が分かれる所ですね。

場合によっては、『下(ベース)が出るから』と、垂れが残っている状態で

出す現場もあったりしますが、僕的に正直ダメだと思うんですけどね。

 

手直しはめんどくさいし、材料費も時間もかかるし、なにより

会社や一緒に作業している周りの人に、迷惑を掛けることになります。

失敗したことを周りにバレたくないという、プライドもあるだろうしね。

僕はありました。下手だと思われたくないとか、そういうくだらないことなんですけどね。

だれでも、こういった1面は持っていると思います。

ですが、やはり考えるまでもなく、キッチリ仕上げるべきなんですよね。

ダメな所は改善点としてすぐに修正し、やり直す。

今誤魔化したら、次に失敗しても同じことをするぞ、と。

昔の自分に言ってやりたいです。殴りながらね、ホント。

 

はい、では続きです。

確認後、問題なかったのでこのまま組み付けに回しました。

洗車後、そのまま納車しました。

 

同業者からの仕事ということで、いつも以上に気張りましたが

クレームもなく、無事納めることが出来ました。

ありがとうございました。またよろしくおねがいします。m(_ _)m

 

では次の作業はコチラ

 

はい、みんな大好きマークⅡです。

いや、なんでしょう。僕も一応職業柄、色んなクルマを見てますけど、

見てて、ニヤけてくるクルマってそんなに無いんですよね。

これはね・・。何かいいですよねー。キレイです。デザインが。

ハチロクの次くらい・・いや現実的に1番好きなクルマです。

ホンマ、買おうかな・・。

 

せっかくかっこいい車なんですが、お客様が高齢の方で、

結構頻繁にぶつけたり、また修理するにも安上げだったりと、

正直程度はあまり良くありません。

今回は、僕の好み補正で、キレイに直していきます。

では作業範囲はコチラです。

・リアバンパーキズ

・右リアドア・右リアフェンダー(アーチ部分)BP

リアバンパーは、実はウチで数回補修したことがあるそうです。

その度にパテ修正をしているので、入庫時に確認した時はもうパテがバキバキに

割れているような状態でした。

なので、うちの上司がもう仕方ないということで、全面パテ修正。

そのまま僕に回ってきたという感じです。

 

もう最初を見てるんで、こうなることは分かってたんですけどね。

流石にパテをてんこ盛りで持ってこられると、うわ~って思わなくもないですね。

ドアとアーチに関しては、周辺もキズがあるんですが、

その中でもひどいところだけを直すといった感じです。

 

では、早速研いでいきます。

 

もう、もともとが結構ひどい状態なんで、ここからカンペキに歪みを抜くことは無理。

なので、真っ直ぐは狙うんですけど大きな歪みはなるべく広めに研いで

均す方向で行くことにしました。

やはりまだ歪みはありますが、もうこれは仕方がない範囲。

これでパテ研ぎは完成です。

 

マスキングが終わり、サフェーサーを塗装しました。

やっぱりサフを塗るとよく分かりますね。荒が。

もうこれは仕方ないんですけどね。値もないし時間をかけることが出来ません。

本当はもうちょっと直したいんですけどね・・。

 

サフはこれで完成。次は調色に入っていきます。

 

リアドアどトランクが白っぽく見えますが、これはリアフェンダーが黒いんですよ。

左右とも。

こういう場合、どう調色するか・・。

ドアに合わせたら、バンパーとドアが白っぽくなってしまいます。

特にバンパーの方が、白すぎて目立ってしまいます。

ではリアフェンダーの色で合わせたら?

するとバンパーはいいのですが、こんどはドアが真っ黒になってしまいます。

ということで、いつものことなんですが2色合わせます。

リアフェンダーとドアの色ですね。

 

実際こういうことはよくあって、例えばフロントフェンダーを塗るとしたら、

ドアとボンネットのスカシが全然違うとか、

ゲートを1枚塗ったら左右のリアフェンダーの色が違うとかですね。

 

修復歴がある場合、そこは当然ながら調色した色を乗せています。

その色が、元の色にどれだけ寄せているかによって、今回の作業の調色をどうするかが決まるので、

塗装屋は最初に修復歴があるかどうかを見るわけです。

 

あまりにもひどい場合・・。今回のように、これだけ色が違っている時は

もう見た目をこれ以上にすることは出来ません。

なので、少しでも違和感をなくすために、バンパーはリアフェンダーの色で、

ドアは元のボディの色に調色します。

ただし、バンパーの元の色はボディより白いので、少しだけ白めに調色していきます。

 

では早速やっていきます。

 

ちょっと手こずった4回目。

ボディよりちょっと白めで違和感がない所まで寄せることが出来ました。

リアバンパーはこれで行きます。

 

写真で見たら、ちょっと赤味が残ってるようにも見えますが、

実際見たら、違和感はないほど寄っています。

また、下なのでそこまで分からないというのもありますけどね。

ドアはこれで行きます。

 

ここでちょうど時間になりました。

今日の作業はここまでです。

 

調色のこだわり

調色のやり方、というかどこまで寄せるかは

色によっても違うし、その塗装屋の判断によります。

店によってはそこまで重要とは思っていない所も多く、

例えば見本のチップが5枚あったとしたら、その5枚分塗板を作って、

その中で1番近い色を塗るといったことをする人がいたり、

現車合わせすらしない所もあります。

その逆で、もうブロックで行けるだろうという所まで合わせて、

そこからボカシ作業をすることで、もうホント分からない所まで寄せる人もいます。

結局はどこを目指しているかによって、そのやり方は変わるんでしょうね。

 

僕は、今まで見てきた塗装屋の中で、1番上手かった人のやり方を、

出来る限り丸パクリしています。

調色に関してはその考え方ですね。

色の特徴、変化の仕方、目の合わせ方、確認の仕方、塗り板への塗り方、などです。

トータルで考えると、恐ろしく難易度が高く、正直言うとやってみなければ、

合うかどうかわからない色とかは結構あります。

前回塗ったプリウスの赤パール(3R3)なんかは、正面と黄味と

スカシの黒味のバランスが絶妙で、良い所でもうちょっと足りなかったり、

ホント苦労しましたね。

 

『ボカしたら分からんようになる!』と言われればそれまでなんですが、

それはちょっと違う気がするんですよね。

鈑金で言えば、凹んでいる所にアルミパテをこんもり盛って、削って

『はい!出来ました~』と言っているようなものです。

いや、叩けや!ってなりますよね。それと一緒のような感じです。

 

どこまで寄せるかは毎回悩む所です。7割ほどしか寄っていなくても、

色によってはボカせばなんとかなる場合もあったりして、

そこまで寄せる必要は無いような気もします。

ですが、やはり僕は8割、9割ほど合わせる必要があると思っています。

具体的には、塗板をボディにくっつけて、15mmテープを端に貼って、

この状態できっちり合う状態までです。

テープを剥がせばもちろん少し色はズレますが、

貼った状態で合っているなら、ボカシても違和感なく仕上げることが出来ます。

 

この調色で色をどこまで寄せれるかが、僕は塗装屋としての実力というか

経験の差が1番出るところだと思うんですよね。

キレイに塗るなんて、素人でも出来るんですから。

 

調色がニガテ、色が合わないと僕も昔はよく思っていました。

ですが、上手い人の仕事を見て、こんな仕事をしたい!と思ったら

そこが目標になるんで、どこを目指すかを具体的にすることが、

やはり腕を上げるのに必要な考え方だと思いますね。

考えるのは重要ですが、その骨格というか元になる考え、目標がないと

せっかく知恵を絞っても積み重ねにはなず、毎回その時騙しの作業になるんでね。

 

僕がもし先で、また後輩に教えることがあったら、

こんな感じで指導してみたいです。

 

では、今日はここまで。

お疲れ様でした。(`・ω・´)ゞ





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