いすゞ ダイハツ 自動車塗装日記

自動車塗装日記#106 日焼けした色の調色

投稿日:



いちころです。

 

自動車の塗膜は、その保管状況によって劣化が起こります。

これは見れば1発で分かるんですが、例えば色が薄くなっている、

クリヤーが剥げているといった感じです。

クリヤーが剥げるというのは、大体この様な状態です。

この溝の所ですね。

これは、色が薄くなり、そのまま塗膜が劣化していってクリヤーがパサパサになり、

最後には剥がれたという状態ですね。

指で擦ると、ポロポロとどこまでも剥がれていくような感じになります。

こういった状態は、ボンネット・ルーフ・トランク等

日光に対して受け面になる箇所に多く見られ、色には関係なく起こります。

 

色が薄くなるのは、これも色んな色で起こるのですが、

例えば、3コートパールや、シルバーメタリックの場合は

パッと見た目には分かりにくいんですが、比色して見ると、

白黄色っぽくなっていることが多くあります。

ソリッドだと、斑に、白ボケしたような状態になったりします。

消防車や、郵便局の配送車なんかによく見られますよね。

これも、日光で色が薄くなり、焼けて黄色くなったいるような状態です。

 

日光の他には、鳥の糞や樹脂などがあり、そのどれもが塗膜を侵して

変色させて行きます。

こうなると、磨いても元に戻ることはなく、もう塗り直すしかないんですよね。

車の保管場所が、屋根付きのガレージや屋内の場合は問題はないですが、

野ざらしの場合は、こういった事が起こってしまいます。

 

今回の作業は、この内の色が薄くなったクルマの修復です。

その前にコチラのクルマから作業していきます。

では、作業はコチラ

はい、タントの左側面の修理分ですね。

前日に、前後バンパー・ステップ・スライドカバーまで塗装を終えているので、

きょうは磨きから始めていきます。

歪み、クオーターのラインの確認をしましたが、OKの範囲。

徐々に消えていくラインを、位置も含めて正確に作るのは難易度が高いですが、

パッと見、違和感はありませんでした。このまま磨いていきます。

 

細部はこのちびポリッシャーを使うのですが、3月頭くらいに下ろしたバフに

寿命が来てしまいました。

見比べてもらえば分かると思いますが、新品と比べるとこれだけヘタってくるんですよね。

全体的に白くなっていますが、これはすべてコンパウンドのカスです。

毎回エアブローで飛ばしているのですが、それでも完全には取り切れないので

溜まりに溜まってこの状態です。

毛足はまだ長いのですが、この周りの解れているところにコンパウンドが溜まりやすく、

磨いている最中に細かい固まりが付着して、リングマークが付いたりするので

限界まで使いましたが、このあたりで交換することにしました。

ですが、このバフはこのままポイするわけではなく、

例えばウチはトラックや、現場仕事のクルマの仕事も頂いているので、

そういった、細かいことは気にしないクルマの、磨いたら取れそうなキズ

なんかの磨きに使います。

 

はい、磨きが終わり、ドアの組付け・サッシュテープの貼り付けまで終わりました。

色の確認等は前日に行っているので問題なし。その他、特に問題はないようです。

次の日、バンパー等を組み付けて完成です。

 

続いての作業はコチラ。

ちょっと社長が写ってますね。( ゚д゚)!

次は養護学校のスクールバスの修理です。

・・・・まぁ、大きいですよね。

電装の工場の端から端までキチキチに詰めて、ミラーがちょっと出るくらいの長さでした。

こういった大きな車は、基本的に外で塗ることになるので、

修理箇所はどこだろう?とお客さんと話をするのを聞いていたんですが、

何かココらしいです。

 

・・・このちょっと凹んでいるココですね。

まぁ、なんというか助かったような、何というか・・ねぇ?みたいな感じになりましたね。

ははは・・・。

では早速やっていきます。

 

実際の所、ここばは普通にボルト止めなので外して塗ることにしました。

ここで問題になるのが、なんですよね。

ご覧の通り、かなり色あせています。

 

消防車や郵便局のクルマを街中で見かけることがあると思いますが、

とくによく見かける郵便局のクルマは、結構色あせていることが多くないですか?

ああいったクルマは、大体提携している塗装屋が塗ったりするんですが、

その値段は結構安いんですよね。

ウチも以前、パトカーの修理をしたことがあるんですが、

結構値切られ、しかも支払いが3ヶ月だったか4ヶ月だったか、

めちゃくちゃ先に伸ばされた覚えがあります。

実際、3ヶ月手形というか、そういった小切手で支払いをする

整備屋なんかはありますが、親方日の丸の人までこうなん?というのがありましたね。

郵便局のクルマが、どういった支払いをしているのかは分かりませんが、

もし間にもう1件入っている名は話は別ですが、そうではなく直接の場合、

支払いはどうなるんでしょうね?気になる所です。

 

そして、以前、その色あせた郵便局のクルマを見かけたので、

フロントパネルをちょっと指でなぞったことがあるんですが、

しっかりと赤色が指に付きました。

ということは、クリヤーを塗ってないということになりますよね。

今どき、白・黒以外でマルチを使っているところがあるかどうかは

分かりませんが、そのクルマはクリヤー塗装はされていませんでした。

 

ちなみにマルチというのは、クリヤーを塗らなくても

ベースだけで艶が出る色のことで、言ってみれば

ラッカーに硬化剤を足しているようなものです。

完全に硬化はしますが、ベースがむき出しのため、

いくら膜厚を付けてもスリ傷に弱いという特徴があります。

通常のクリヤー塗装をしたウレタン塗料なら、擦り傷がついても、

そのキズ自体はクリヤーに付いているため、ほんの少しのギズだったり、

毎回の洗車等で付いたキズなどは、磨けばキレイになります。

マルチの場合も、消えることはありますが、削っているのがベースそのもののため、

擦りすぎると下地が出てきます。

トラックや、軽トラ、商業者などのライトバンは、新車価格が一番安い白色で

こういった仕様になっているので、

今でも白はクリヤーを塗らないという考え方の塗装屋も結構います。

しかし、ロックペイントは基本的にクリヤー推奨なので、

うちの場合はクリヤーを塗って強度を高めるやり方で行ってます。

損かもしれませんけど、後々のことも考えてのことなんですけどね。

 

そしてこのバスの塗装も、やはりマルチというか、クリヤーは塗っていませんでした。

そこで、バンパーのセンター部分を少し磨いて汚れを取り、

少し艶が出た所で、ココを基準に調色していくことにしました。

 

まずは下塗りの色を決めます。

黒は流石にキツイので、写真の通りグレーと、あとは白の二枚用意して、

大体で作った赤を塗ってみました。

 

すると、こうなります。

左が白の下塗りで、右がさっきのグレーです。

当然同じ色を乗せているんですが、トマリの悪い色というのはこうなるんですね。

・・はい。下塗りは白で行きます。

 

ちょっと手こずりましたが、調色5回目。

狙った通りの白っぽさを出すことが出来ました。

乾燥後にいろいろな角度、場所で見てみましたが、まぁOKの範囲。

調色完了です。

ここで、僕の目合わせの仕方を少し紹介します。

例えば乗用車で、よく色がわからないもの。

例えばメタリックなどオリジナルカラーを作って塗ったとかの場合は、

それに近い色を見本帳から選んで塗りますが、

こういった色あせた色の場合や、トラックのオリジナルカラーは

ソリッドの場合は、原色から選んで寄せていきます。

色味の近い色。今回で言えば、黄味が欲しかったので、それが強い赤を選び、

あとは基本の赤・青・黄の原色で彩度、白黒で明度を調節する感じです。

今回で言えば、青味はほとんど必要なく、代わりにバイオレット系で

赤青味(赤っぽい紫)を出し、1/10の黒で濁らせ、白で寄せた感じです。

 

何か大層な事をやっているような感じですが、実際はそうでもなく

濁らせるから黒、もうちょっと白ボケさせたいからちょっと白、

あ、赤が足らんな・・でバイオレット・・・って感じですね。

調色時間も、多分30分くらいだと思います。

 

この目合わせは、結構あるので出来ると便利なんですが、

やはり色の特徴などを知っておかないと無理な作業になります。

考えながらやっているのか、そうでないのか。

経験年数だけで出来ないことなので、

普段の仕事にやり方や実力が1発でバレる作業です。

 

はい、では続きです。

調色も終わったので、パテ研ぎ・サフ・足付けをしてブースに入れます。

 

ピンぼけですね。( ゚д゚)!

とりあえず下準備は終わった所です。

他に飛び石等、キズがあったので、広がらないように補修しました。

脱脂・エアブローをして塗装開始です。

 

ぱい、クリヤーまで乗せ終わりました。

ここで、いつものようにピカピカになるまで乗せたのでは

返って失敗になります。

今回は、多少色あせているものを仕上げるため、そこまで艶があると

目をむいてしまい、目立ってしまうんですよね。

そういえば、郵便局のクルマでもそうなんですが、

街中を走っているクルマで、ボディ全体は色あせているのに、

たとえばバンパーだけ、フロントフェンダーだけなど、

1ヶ所だけやたらきれいなクルマを見かけたりしませんか?

もし見かけたことがあるなら、それが目をむいているとは

そういう仕上がりになるということです。

実際、色あせたクルマを修復する場合、その色あせ具合にも寄るのですが、

違和感なく仕上げることは、別の意味で難しいので

そういった場合は、お客様との相談になるんですけどね。

 

で、今回の塗りですが、つや消し剤やなどを入れることも考えたんですが、

この方法が1番違和感がないと思ったのでシンナー希釈を多くして塗りました。

 

写真は塗りたてなんで多少艶がありますが、乾燥するに連れて

艶を引かせていくのがねらいです。

 

はい、組付けが終わりました。

正面からも撮ったら良かったんですが、忘れてましたね。

とりあえず、違和感はなく目をむいている様子もありませんでした。

艶はありますが、センターも磨くと多少艶がでたので、これでOKです。

手こずりましたが、バス完成です。

 

続いての作業はコチラ

 

はい、ミニキャブです。

このクルマは、社長の知り合いのクルマなのかな?

安上げのような、そんな仕事です。

側面の塗りなんですが、アオリはサービス。

その他、擦っている所はすべて修復です。

 

このクルマも艶が引けているので、どうするかは考えものですが、

そんなに気にしなくていいとのこと。

普通にクリヤーを乗せていこうと思います。

 

とりあえず、パテを削ってサフは入れておきました。

休み明け、続いて作業をしていきます。

 

今日はここまで。明日もがんばりましょう。

お疲れ様でした。(`・ω・´)ゞ

 

 

 

 

 

 

-いすゞ, ダイハツ, 自動車塗装日記

Copyright© 自動車塗装 いちころペイント.net , 2018 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.