トヨタ 自動車塗装日記

自動車塗装日記#109 壁が当たってきたんですよ!

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いちころです。

お客様が来店され、見積もりをする時に事故の状況を少し聞いたりするのですが、

その時に、『当てられた!』という人が結構おられます。

これは、ホントに当てられたのかも知れませんが、中には自分でぶつけたとしか

思えないような傷や凹みのものもあります。

長年鈑金塗装業をやっていると、当てられたか、自分でぶつけたかが

大体ですが見たら分かるようになってきます。

もちろん、完全に見抜けるわけではないですが、明らかに自損の場合であっても

『当てられたわ~。もうかなんわ~』

という人はホント多いのですが、

これってなぜやられたという言い方をするんでしょうか?

 

これはおそらくですが、自損事故は恥ずかしいという思いがあるんじゃないでしょうかね?

・運転ミスでぶつけてしまって恥ずかしい

・運転がヘタだと思われるのがイヤ

・自分は悪くないと周りに言いたい

という思いがあり、そう思われたくないから架空の相手を作り

『気がついたら当てられてた』

と言われるのではないかと、思ってます。

その証拠に、そういうお客さんの場合大体実費で、クルマにも寄りますが

安上げの場合が多いです。

要は、速く安く、元の状態に戻し、今回の自損事故をなかったコトにしたいという思い

だと思うんですよね。

 

そう言う気持ちは分からなくもないんですけどね。

確かに失敗したら恥ずかしいし、誤魔化したくなるのも分かります。

でもね、大体どこの工場でもそうだと思いますが、もうだいたい分かるんでね。

だから、『当てられた!』というよりも、むしろ笑い話のように

『よそ見してたら横にポールがあるのに気づかんかった』

『行けると思ったのに無理やったわ。ぶつけてもうた!』

と言ってもらったほうが、印象は良いですね。

それは、見たら分かる失敗の言い訳をガンガンしてくるのか、

それとも、素直に言ってくるのかの違いのようなものです。

 

その心象によって、仕事の内容や値段が変わることはないですが、

やはり印象が良い場合は、サービスしてくれることもあります。

それは、料金を少し負けてくれるかも知れないし、

場所によっては、ついでに直してくれることもあるかも知れません。

 

ディーラーなどではそういったサービスは無理ですが、

僕らのような街工場の場合は、そういった事があることもあるので、

あまりいいカッコはしないで、正直に言った方が得する場合もあります。

・・・大体高齢ドライバーの方に多いんですけどね。

 

今回は、そんな自称『当てられた!もうかなんわ~またやで~』

と言われるお客様のクルマを作業していきます。

 

では今日の作業はコチラ

はい。レンタカーのプリウスの修理です。

今、ある車を電装の仕事でお預かりしているんですが、そのお客様が

借りている時に、知らないうちに『当てられた』そうです。

で、肝心の修理箇所はコチラです。

 

左リアフェンダーのアーチ部分の鈑金ですね。

もうパテまで終わってしまっていますが、結構削れて凹みもあり、

よくドアが助かったなというような状態でした。

一度修理歴があり、キズの下からパテがこんにちわしていました。

このパテの下側に大きな歪があり、

前の修理もそんなに力を入れてやってなかったんだということが伺えました。

というより、全体的に修理歴があり、大体みんなそんな感じでした。

 

今回も、レンタカー屋からの入庫ではなく個人の弁償分ということで、

なるべく安く、歪みは残っても構わんから、ブロックで行けとの指示でした。

要は、パっと見て分からなくなればOKの、誤魔化し作業です。

では早速やっていきます。

 

もう、いつものとおりなんでね。一気に行きます。

パテの部分ですが、歪みが残ってもいいというより、

もともと歪んでいた所をまた当てた様な感じで、ここだけパテをしても

大きな歪みの真ん中を平らにすることに過ぎないので、真っすぐにはなりません。

直すのなら、もっと広範囲になり、それこそ内板まで行ってしまうくらいなんですが、

今回は誤魔化しなので、見た目重視で行きます。なので、歪より、キズが消えればOK。

サフも通常希釈で乗せています。

 

脱脂後、マスキングをしたんですが、今回の塗りの範囲は、

ご覧の通り、ラインで切るこの範囲で行きます。

これも塗装屋によっては上まで行く人もいれば、もっと小範囲で切る人もいるんですが、

僕の場合は、このラインで切るのが結構得意で、

こういったラインのあるリアフェンダーや、前回のフリードのバンパーのように

カドで切る塗り方をよくやります。仕上がりもキレイに上がるんでね。

 

そして、今回はブロック塗りです。

僕はブロック塗りは無理だろ派なんですが、どうしてもという指示なので

頑張って合わせました。

 

では早速塗っていきます。

ベース1回目。

全体にアンダークリヤーをダブルコートで乗せました。

今日は少し寒かったのと、湿度があったので、速乾シンナーを半分入れました。

こういうシンナーの選び方は、ホント日によるんですが、

細かく分けることによって、晴れでも雨でも、暑くても寒くても

いつでも同じ様に、きれいに仕上げることにも繋がります。

それは、マニュアルでは言い表せないことでもあり、

言ってみれば経験なんですが、そういった勘のようなものも

作業する上では必要なことだと思います。

僕もまだまだなんで、練習してる最中なんですけどね。

 

ベースですが、トマリが良い色ということもあり、1回でここまで乗りました。

もう、2回目で決まりそうですね。

 

ベース2回目です。

この時点で、塗り板と比色したら、丁度いろが再現できていたので

ベースは2回で終わりです。

この後、投光機で隠蔽しているかを確認し、問題なかったので

ムラ取り、ボカシまで行いました。

 

指触乾燥させ、次はクリヤーを乗せていきます。

 

はい。クリヤーを乗せ終わりました。

今回のシンナーは速乾100%です。

この小範囲では肌のザラつきを気にすることはないので、

ガソリンの蓋の周りの垂れを警戒しました。

 

クリヤーを乗せる前に、ラインの所にアンダークリヤーを1発行き、

その後クリヤー2回で決めました。

1回目は捨て塗り、2回めで決めたんですが、いい感じの肌になりました。

 

それよりも心配なのは色です。

いくら安上げの誤魔化しとはいえ、あまりにも色がズレていたらマズイし、

それよりも俺的に許せん。

指触乾燥を待ち、紙を剥いで外で色の確認です。

 

お?まぁまぁな出来じゃないですか。

ブロックでここまでいけたら、もう上出来・・ということにしておいて下さい・・。

僕の腕では、これ以上は無理ですね。

もちろん、厳密に言えばちょっと赤味が足りなかったりしてるんですが、

それも、言わなければわからない範囲ですし、おそらく素人目には見抜けません。

乾燥後、しっかりと磨いていきます。

 

以前も書いたと思うんですけどね。

僕はブロック塗りは反対・・というか出来ないと思っています。

それは、新車の色を塗料メーカーの色で完全には再現できないというのもあるんですが、

そこまで色を寄せる技術は、なかなか習得できない・・・

というより、僕自身は習得は不可能だと思っています。

 

例えば、太陽光で調色は出来たとして、その色は日陰や、蛍光灯、日暮れなどの光でも

同じとは限りません。

色は、それぞれの光によって、反射して見える色調が変わってくるので、それらをすべて

合わせるというのは難易度が高すぎる至難の業です。

ネット上でも『ドアをブロックで塗りました~』というのをたまに見かけます。

それは、塗るのは誰でも塗れるんですが、じゃ、その色って合ってるの?

というのが問題なんですよね。

アップされている写真は、中でも1番違和感がない写真だったり、

やたら近かったりと、色の違いが分かりにくいように写真を取っているようにも見えます。

 

塗料メーカーに問い合わせると、ハッキリとは言いませんがボカシを推奨してるとのこと。

ボンネットやゲートなどのブロックは、隣接パネルの見える面が少なかったり、

またゲートのように空きが大きい場合は、単体でも行けます。

ですが横面の場合。フェンダーやドアのブロックとなると、僕は正直無理だと思いますね。

そこにはこだわらず、ボカシをするのが、やはり1番材料と時間の節約になり、

結果的に1番キレイに仕上げることが出来ると思います。

 

 

今日はここまで。明日もがんばりましょう

おつかれさまでした。(`・ω・´)ゞ

 

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