ニッサン 自動車塗装日記

自動車塗装日記#115 全損価格の低い保険仕事

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いちころです。

クルマの修理の支払い方法として、実費と保険があります。

実費とは、修理料金のすべてをお客様が支払う方法。

保険とは、お客様、もしくは事故したときの過失の多い方の保険を使う方法です。

色々なケースがあるので、細かいことは割愛しますが、

直す僕らからすると、実費の場合はなるべく安く、

保険の場合は目一杯高く取るのが一般的です。

 

実費の場合、そのお客様にコチラのことを良い印象を持っていただいて、

また何かあればお願いするというのが狙いで、

保険の場合は、支払う相手が保険会社のため、問答無用というわけには行きませんが

目一杯高く見積もって、儲けを上げることが目的です。

 

儲けを上げたい保険仕事なんですが、ご存知のようにいくらでも上乗せ出来るわけではありません。

クルマには、それぞれ全損価格というのが決まっています。

要は、そのクルマの価値というか、修理する上限の金額のことなんですが、

損傷がひどく、どう見積もっても全損価格を上回る場合、

そのクルマは廃棄するか、もしくは足が出た分を実費で出すことになります。

こういったことは古い車に多く、直せそうな事故であっても

お客様の意向で、廃車にすることも珍しくはありません。

 

今回修理するクルマも保険仕事なんですが、

上限が決まっており、しかも新品パーツを使っているので

なかなか思い通りには行かない作業でした。

 

では、今回の作業はコチラ。

はい。NOTEの鈑金ですね。

この画像を見た時に、鈑金の経験者の人は

『あー、ピラー逝ってるんちゃうの?めんどいな~』

と思うんじゃないですかね?

ドア自体も数センチ下がってるし、まぁ無事ではないだろうと

シロウトの僕でも思うくらいです。

でも、実際にバラしてみるとこうなってました。

 

( ゚д゚)!ピラー無事!

ステップは当たってたんでパテを入れましたが、ピラーは無事。

予想としては、ヒンジがコケてピラーもへにゃーとなってると思ってたんですけどね。

開けたらなんにもなっていませんでした。

写真には撮り忘れましたが、どうもドアでほとんどダメージを受けたみたいで

外板はご覧の通りぐしゃぐしゃですが、内板はなんにもなっていませんでした。

とにかく助かった・・・。

 

というのも、このクルマの全損価格は、東京海上によると35万円。

事故も当てられていて、相手の保険なのでパーツはすべて新品。

その上ピラーまで逝っていたら、35ではちょっと・・・というか、

コチラとしては目一杯取りたいので、作業が減って助かったというのがホンネですね。

ちょっと値切られましたけど、見積もりも通り、早速作業開始です。

 

まずはステップから修復して行きます。

歪み自体は大したことはなかったので、通常通り

パテ~サフをして塗装をしていきました。

塗装の段取りとしては、いつも通り組み付けて塗るので

先にステップを仕上げておいて進めて行きます。

 

はい、次は内板の塗装をしていきます。

フェンダーの上は内板色なので、調色して塗っています。

その他は外板色なんですが、この塗り方って塗装屋によって違いますよね。

例えばドアなんですが、僕は全体に色を乗せてクリヤーも全体に乗せてピカピカにします。

ですが、人によっては真ん中あたりを塗らない人もいますよね。

理由を聞くと

・元のドアは色が乗っていないから。

・内張りで隠れるから

という感じでした。

なるほどなんですけど、これはもう好みによりますよね。

どっちでもいいと思います。

今にして思えば、釣って表も下塗りしておけば良かったんですが、

なんで置いたんかな・・?

まぁ、早く塗りたかったんでしょうね。

 

調色1回目。

1発で結構寄りましたね。これでクリヤーを乗せればまぁまぁ行ける感じ。

ただ、これは上面で光が正反射で見えやすい所で、また比色する範囲が狭いので

合っているように見えますが、広範囲なら見え方がまた違いますよね。

 

横に持ってくると、やっぱり少し白いですよね。

側面ボカシなら行けそうですが、やっぱりちょっと白いというか黒みが足りない感じです。

もうちょっと寄せていきます。

 

ちょっと黄味の黒を足しました。

これは僕の調色の基準にしてることなんですが、

こんな感じでテープを1枚貼って合っていたら、ボカシても十分行ける状態です。

ちなみにこのテープを剥ぐと、塗り板はボディよりも白いです。ブロックではもちろん行けません。

ですがボカシの場合、シルバーなどは特にボカシ際が濃く(黒っぽく)なりがちなので、

少し白めに合わせることによって、ボカシ際をキレイに仕上げる事が出来ます。

僕の場合ですけどね。

とりあえず、調色完了です。

 

はい。組み付け・マスキングまで終了しました。

ピラーは毎回ボカすんですが、今回はドアを新品に交換しているので、

隠しながら塗って行きます。

バンパーは耳だけでよかったんですが、それではちょっと請求しにくいので

半分塗ることにしました。

エアブロー・脱脂をして早速塗っていきます。

 

リアドアをマスキングして、下塗り用の色を乗せた所です。

調色したベースがちょっと少なかったんでね。

乾燥後、#1200で当て直して、調色したベースを乗せていきます。

 

ベース1回目

リアドアにアンダークリヤーをダブルコートで乗せ、ベースを2回乗せた所です。

キッチリとキワが出ていますよね。

ここまではベースを止めておき、次にボカして行きます。

 

ベース3回目。

いい感じでベースを乗ってますね。

そしてボカシ~ムラ取りまで行っていました。

これはもう指触乾燥していますが、塗りたてでもムラはなかったので、これでベースはOKです。

 

はい。クリヤーまで乗せ終わりました。

今回は硬化剤は速乾。シンナーは標準と速乾の半々で行きました。

気温はブース内で18度。湿度は30%くらいだったんで、

全部標準だと、おそらくシンナーっ気が飛ばないような気がしたんでね。

結果、上手くいきました。

ピラーも指触乾燥前にクリヤーを載せ、キワの処理まで仕上げました。

乾燥後、外に出して色の確認です。

 

まぁ、OKの範囲。

色の不具合はありません。ただ、シンナーは半々じゃなくても良かった感じですね。

多少肌が高いところがありました。

というのは、塗った時は良いのですが、塗り重ねた時に乗る分がちょっと高い感じで

仕上がっている状態です。

やはりもうちょっと標準シンナーをたすか、もしくは全部標準で行って

乾燥時間を長く取るか・・・。

場合に応じてやっていきます。

 

で次の日に組み付けに回したんですが・・・

 

こんな感じでウインカーを取り付ける際に傷が入ったようです。

どうもこのタイプは擦らせて入れるようです。それならテープを貼ってくださいよ!って

突っ込みそうになってんですが、まぁ、そんなこともあるかと、手直しをすることにしました。

 

はい。段差を落としてサフを乗せた所です。

もしここで硬化不良だった場合、ベースのキワがやせるというか縮むんですが、

今回はしっかりと乾いていたため、縮む事はありませんでした。

 

側面を塗り直すことは出来ないので、何とか2枚で押さえました。

バンパーは元から黒っぽかったので、まは全体的に見てもおかしくはありません。

肝心のキズの所も違和感なく仕上げることが出来ました。

3枚目の輪っかのように見えるのは、塗りのキワではなく、光の加減ですね。

今度は1時間ほどしっかりと熱源で乾燥させてから、昼間で天日干しをし、

しっかりと乾燥させて磨き、組付けに回しました。

今回は注意して組んでくれたおかげで、問題なく仕上げることが出来ました。

これで、ようやく完成です。

 

今まで手直しなんて無かったんでね。ちょっと段取りは変わってしまったんですけどね。

まぁ、よくあること。そういうこともあります。

 

今日はここまで。明日もがんばりましょう。

お疲れ様でした。(`・ω・´)ゞ

 

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