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湿度が高い時の塗装方法

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いちころです。

僕たち塗装やにとって、温度や湿度といったものは、仕上がりにとても影響するので

無視できないものなんですが、この梅雨の時期は特に湿気が多くなります。

DIYで塗装される人たちの動画などを見ていると、

温度に関しては気を使っている人が多いようです。

夏場は乾燥が早くてザラつきやすい、

逆に冬場は乾燥しにくいのでタレやすいといった感じですね。

 

言っていることは半分当たっていますが、半分足りていません。

それはどういうことか?ということを踏まえて、説明していきたいと思います。

 

そもそも湿気が塗装にどう関係するのか?

湿気とは、ご存知のように気体の状態にある水のことですが

この湿気を一番体感できるのが、雨降りの時じゃないでしょうか?

この時期、クーラーの効いた室内にいて外に出たときのあのムァっとした感じですね。

塗装屋の場合だと、雨降りの日、朝イチのブースに入った時の感じといえば

共感してくれる人も多いと思います。

 

ではこの湿気が、塗装にどう関係するのかと言うと、

一言で言えば、乾燥時間です。

と言っても、クリヤーの完全硬化の時間だけではなく

ベース塗料の乾燥時間にも大きく関わってきます。

特にボカシ際ですね。

 

例えば湿度が高い(高め)時。

雨降りの時期だと、80%とかも余裕で超えたりしますが

この時のベース塗料の硬化はかなりゆっくり目になります。

今のこの時期、一番わかり易いのがボカシ際がザラつきです。

湿度が高めだと、ボカシ際の肌が高くなりにくく、もっと言えばザラつきにくくなります。

これは、正確なシンナーの選定やアンダークリヤーの塗装にも関係してきますが、

空気に湿り気があるため、ボカシ際の塗料の乾燥がゆっくりになるためです。

 

次に湿度が低い時。

冬場など、肌が乾燥するくらい湿度が低くなる時がありますが、

実はこの時、ベース塗料やクリヤーのボカシ際の乾燥は早くなります。

空気に湿り気がないため、キワがザラツキやすくなるのもこのためです。

逆やろ?と言われるかもしれませんが、事実です。

 

例えば、冬場といえばシンナーは速乾、または超速乾など、

乾燥が早いものをほとんどの工場で使うと思います。

するとどうなるか?

今のガンは高性能なものが多く、霧(塗料)が細かく、よく出ます。

霧が細かいということは乾燥が早くなる、

シンナーも速乾で乾燥が早い、

湿度も低くて乾燥が早い。

早い+早い+早いが重なり、結果、キワがざらつくということになります。

 

湿気が多いときの塗装の注意点

湿気は、塗膜の乾燥に大きく関係すると書きましたが、

その他に、もう一つ注意することがあります。

それが、白ボケと呼ばれる不具合です。

見た目は呼び名の通り白くボケており、一見白くムラになったように見えます。

目の粗いメタリックだったりすると、ムラ取りを失敗したような感じになり、

パッと見は、とても無残なものです。

 

これは、ブース内(外でも)の湿気が多い状態で塗装したため、

ボディに多少でも水分が付着していたか、塗料を吹き付け後に水分が付着するのか、

どのタイミングで付くのかは正確には分かりませんが、

とにかく湿気の多い状態で、そのまま塗装するとよく起きる不具合です。

 

こうなった場合どうするのか。

これはベースの乗せ方にもよるのですが、僕のように結構ウエット気味で

ベースを乗せる場合は、乗せ終わった時点で出るならもうボケています。

こうなったら、バーナー(ヒーター)でボケがなくなるまで室内の温度を上げていきます。

ボケたところを温めることで、この白ボケは抜く事が出来ます。

あとはその室温のまま、クリヤーを乗せれば白ボケを出すことなく仕上げることが出来ます。

 

では、ベースのときに出なかった(分からなかった)場合はどうなるのか。

これはクリヤーを塗った時点、または乗せ終わったときに分かる場合ですが、

こうなると結構ショックなものです。

見た目にはボカシ失敗のような感じですからね。

もうコレはあかん、しっぱい。塗り直しやんけ~となるところですが、

これもヒーターで乾かせば、ムラが抜けることがあります。

例えばコレ。

プリウスのバックドアですが、

写真だと下の部分。屋根に隣接するこの細いところが、

無残なまでにムラムラになっていました。

コレを60度で10~15分炙ることによって、キレイに白ボケを抜くことが出来ました。

 

理由についてはよく分かりませんが、とにかく炙る事によって

白ボケは直ることがあるので、諦める前にやって見る価値はあります。

 

白ボケさせないための対策

結構うっとおしい不具合の白ボケですが、対策するのは案外簡単です。

というのも、要は室内の湿度が高すぎるのが問題なので、

塗る前にブースの温度を上げるだけで問題解決です。

5分ほど火を入れ、『ちょっと暑いかな?』くらい回しておけばそれで十分です。

 

室温が上げられない外塗りや簡易ブースの場合でも、ヒーターを点けて塗るだけで

ずいぶんと対策になります。

 

まとめ

今回は湿気の多いときの塗装についてお話ししました。

塗装屋でも多いのですが、温度は気にしても湿気を無視する人が多いんですよね。

温度ももちろん大切で、シンナーの選定を失敗すると、お分かりのように

キレイに仕上げることは出来ません。

でも、僕はそれと同じくらい湿度も大事だと思うんですよね。

大体はこの梅雨の時期だけ気にする人が多いような気がします。

 

ですが、やはりどの季節でも湿度を気にしながら塗らないと、

いつでも同じ様に、綺麗な仕上がりにするのは難しいと思うんですよ。

__磨けばキレイになるからコレで行こう

__まー、安上げやからコレでええわ

__もー、コレ以上は出来ん。ええやんこれで

など、言い訳すればいくらでも出来ますが、それでええの?と自問自答すれば

やっぱりほとんどの塗装屋はそれでは駄目と答えるはずです。

・・・ですよね?

 

その改善方法の一つが、実は湿度管理だったりします。

湿度が高い場合は、乾燥を少し早めに。

逆に低い場合は乾燥を少し遅めにするだけで、仕事に差が出ます。

 

これは、仕上がりだけではなくお分かりのように、作業のやりやすさです。

スムーズに作業を進めることが出来るので、ミスが少なくなり

他のことにももっと気を配ることが出来ます。

 

もし、今の作業で湿度を気にしていないなら、試しに一度やってみてください。

 

今日はここまで。

お疲れ様でした。(`・ω・´)ゞ

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