DIY

パテの選び方と作業方法

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DIYの作業で、パテ作業というのは、結構難易度が高いと思います。

バンパーの凹みくらいなら、温めて何とか出来るかもしれませんが、

ボディの凹みに挑戦する場合は無視することは出来ません。

パテとは何なのか?その補修方法はどうやってやるのか?

パテの種類は?といったことを、今回は説明していこうと思います。

 

パテ作業の目的

パテ作業は、鈑金作業が終わった後のパネルの歪を抜き、

見た目を元のように真っ直ぐにするために行います。

これは、ダメージの大きさや鉄板の種類、もっと言えば鈑金屋の腕によっても

作業の仕上がりが大きく変わってくるもので、僕たちプロにとっては

作業の仕上がりの良し悪しを決める、重要な工程です。

腕が未熟な場合、この歪を抜くことが出来ず、修復パネルを斜めから見たときに

ポコポコと歪が残り、手直しとなってしまいます。

 

DIYで作業する時、その中でもぱっと見がよくなればそれで良いという場合は、

歪まで気にすることはありません。

凹んでいる所にパテを付けて、削って塗るだけで十分キレイに仕上がります。

 

パテの種類

実際にパテ作業をするといっても、どのパテを使えばいいか分かりづらくないですか?

キズ補修用とか書いて売っているものもありますが、そんな事を言ったらみんなキズ補修用ですしね。

このパテの種類は、ダメージや工程によって種類が分かれていて、

大きく分けて、厚く盛れて硬いものから薄く付けて柔らかいものまであります。

それらを順を追って説明していきます。

 

アルミパテ

防錆効果をもったパテです。

表記では超厚付けとか、粗目とか書いてあります。

その特徴は、非常に厚く盛ることが出来ることで、

多少大きめな凹みであっても、このパテを盛ればなんとかすることが出来ます。

昔のクルマは鉄板が硬いものがあり、どうしても出ないような場合などは

このアルミパテをゴテ盛りしたりしてましたが、今はあまり使っている工場はないと思います。

その理由の一つは、硬化したパテが非常に固くなるからです。

ペーパーの番手で言えば、#80でも研ぎづらく専用のヤスリを使って削り落とし、

その後削って面を出して・・・となり、非常に手間がかかります。

そういった理由もあり、DIYで作業する場合は使う必要はないと思います。

その他の特徴として、水気を鉄板まで浸透させない防錆効果があります。

(といっても厚く盛ればスアナが出来やすくなるので、そこから水気が入れば防錆効果も

なくなるんですけどね。)

 

また、名前からアルミホイールなどのアルミパーツ修復用と思う人もいるかも知れませんが

アルミ自体錆びることはないので、防錆効果のパテを使う必要もありません。

 

鈑金パテ

 

鈑金塗装の工場で1番使われているのが、この鈑金パテです。

表記では、低収縮とか中目とか書いてあるものが多いです。

特徴としては適度に厚く盛ることが出来、また最近では研ぎやすいものも発売されているので

1番使い勝手が良いパテです。

 

そんな使い勝手の良い鈑金パテですが、一つ注意することがあります。

それは『スアナが空きやすい』ということなんですね。

スアナというのは、パテを付ける際に空気が噛んだまま硬化してしまい、

小さい(時には大きい)穴が空いている状態です。

その穴はサフや塗料では塗りつぶしにくく、そのまま上塗りをした場合、

最悪塗り終わり後、熱乾燥させている時に穴が開く可能性があります。

そうならないために、スアナをなるべく作らないパテの付け方をし、

出来た場合は、スアナの上からパテをこすりつけて(穴に押し込む)

しっかりと穴を埋めておく必要があります

また防錆効果も耐水性もないため、研ぐ時は必ず空研ぎ(水を使わない研ぎ方)

をする必要があります。

 

ポリパテ

ポリエステルパテ。通称ポリパテです。

厳密に言えば、上記の2つもポリパテなんですが、

大体、細目表記のパテをポリパテと呼ぶことが多いです。

このパテの特徴は、上記の2つに比べて非常に柔らかく、

鈑金パテで修復した後の僅かな歪を抜くのに適しています。

パテの研磨後は、非常に肌が細かくスアナも上記の2つよりも出来にくいため、

仕上げをするパテと言えます。

厚付けがしにくいので大きな歪みを抜くことは出来ませんが、

エクボのような小さな凹みなどは、十分に修復することが出来ます。

 

エポキシパテ

粘土状のパテで、主剤に硬化剤を足して使います。

その後、修復面にプライマーを塗り込み、付けていきます。

プラモデルの加工などにもよく使われるものですが、

自動車の修復にも使っている工場はあります。

ボディ(鉄板)に使うことはほとんど無く、PP素材のものに使うことが多いです。

その理由として、『材料がPP素材に近いものだから、密着性が良い』というのを

聞いたことがあります。

ですが、密着性と言っても足付けにプライマーを塗り込むだけで

別にPP素材とエポキシパテが溶着するわけではないので、個人的には強度は

似たり寄ったりだと思います。

その他にも、当たった時にパテは割れるがエポキシなら柔軟性があって割れないという意見も

聞いたことがありますが、そもそも修復パネルが当たればパテの前に塗膜が割れるので、

あまり意味のないことだと思います。

そういった意味で、修復にこだわりのある人なら使うことをオススメしますが、

そうでない場合は、使う必要がないものだと思います。

ちなみにうちの工場では使っていません。

 

パテの使い分け

次に、パテの使い分けの説明です。

上記で説明したように、パテには種類があり、その目的に応じて使い分ける必要があります。

といっても、大体の工場ではパテは2種類しか使いません。

それが、鈑金パテポリパテです。

(中には『鈑金パテだけで十分やれる』という現場もあります。)

鈑金パテは、鈑金後の歪の大きな箇所を、ポリパテは鈑金パテの後の僅かな歪を抜いたり、

または小さなエクボや僅かな凹みを修復するのに使います。

 

この2つのパテの違いは、パテ自体の硬さもあるのですが、1番の違いは硬化後の状態です。

パテは、硬化するとスポンジのように細かい穴が空いており、

鈑金パテは穴が大きく、ポリパテ(細目)は比較的小さいものです。

その穴のことをスアナと言い、修復の時は注意する必要があります。

 

足付け

パテを付ける前には、必ず足付けをする必要があります。

この足付けというのは、塗装面に傷をつけ、その傷にパテを食い込ませ、

密着させることが目的です。

その足付けは、目的によってペーパーの番手が変わります。

 

鈑金パテの場合は#180以上を、

ポリパテの場合は#240位上をオススメします。

 

この足付けの番手というのは粗ければ粗いほどパテが食いつくのですが、

そこまで粗くする必要はありません。

というのも、あまり粗い番手で旧塗膜を削ってしまうと、今度はそのペーパー目を

直す作業をしなければならないため、手間が一つ増えるからです。

よくDIYのページでは『サフで消せるから大丈夫』と説明しているものもあります。

たしかにどんなに粗くても、サフを分厚く乗せていけば埋まることもありますが、

乾燥させて研いだ時、そのサフのキワの辺りのペーパー目は残ることが多くあります。

これは、初心者の塗装屋にもあることで、僕もよくやりました。

こうなってしまうと、ベースを乗せてもクリヤーを乗せてもそのペーパー目は埋まることはなく、

日向で見ると、シルバーなどは特に反射の関係で目立ってしまいます。

 

鈑金パテが#180,ポリパテ(細目)が#240で足付けすると書きましたが、

コレにも理由があります。

まず鈑金パテですが、このパテを研ぐのは一般的にどこの工場でも#120が多いと思います。

場合によって、分厚く盛って誤魔化したときなどは#80を使ったりするかもですが、

#120で十分に研ぎ落とすことが出来ます。

そしてパテについた#120のペーパー目を薄く細かくするため、#180で当て直すのですが、

ここで問題になるのがパテのキワです。

足付けを#180で行っているので、それ以上の粗さのペーパーで削ってしまうと

キワに滑らかな段(フェザーエッジ)を付けにくくなります。

パテにキワに段差がついたり、キワを削り取ってしまうわけです。

なので、足付けと同じかそれ以下で当て直していく作業が必要になってきます。

 

#120や#80で足付けしても、もちろん出来ないことはないですが、

出来ればなるだけ目の細かいものを選んでいくほうが作業はしやすくなります。

 

僕の場合は、鈑金パテを削る場合、#120で粗く削り、#180で平らな面を出します。

この時にキワまでそこそこまで削っておき、最後に#240でキワを決めて行きます。(フェザーエッジ)

こうすることで、段取り良く作業を進めることができるわけです。

 

使う道具について

次にパテを付ける際に使う道具の説明です。

まずパテを混ぜる板状のものが必要になります。

鈑金塗装の工場では、よくクリーンボードという1枚づつ剥がして使う

使い捨てのものを使ったり、その他にはアルミ定盤を使う人もいます。

クリーンボードは、毎回新しい状態で使えるため非常に便利ですがコストがかかり、

定盤は、同じものを使い続けるため、長年使うと愛着も出てきますが、

これも毎回キレイに掃除しておく必要があります。

 

DIYで作業する場合は、ダンボールなどを、適当な大きさに切ったものでOKです。

なければ雑誌でも構いません。

要はパテと硬化剤をキレイに混ぜることが出来ればOKなので、

ちょっとした作業をするなら、そういった家にあるようなものを使うのも手です。

 

次にパテを混ぜる・乗せるには、ヘラが必要になります。

ヘラには自動車補修用建築用があり、この違いはヘラの硬さにあります。

自動車補修用は柔らかく、建築用はほとんど曲がらないほど硬いものです。

パテを補修面に薄くこすりつけるなら建築用がやりやすいですが、

自動車の補修の場合は、やはり自動車補修用を使ったほうがやりやすいので

こちらをオススメします。

というのも、ヘラが柔らかければそれだけ自由に厚さや形を整えながら乗せることが出来るからです。

エクボのような小さな凹みも修復できますし、

大きめの歪みを修復する場合でも、鈑金パテを多く盛ることも出来ます。

なので、どちらを買うか迷った場合は自動車補修用のモノを使ってください。

 

その他にゴムヘラというものもあります。

このヘラは、アール(逆アール)など、平面でない箇所の補修でよく使います。

上記のパテヘラよりも柔らかく、曲面にそってパテを乗せることが出来るので、とても便利です。

セットで買うとかなり高額になりますが、個別で買うと安いので、

DIY作業の場合は、中間程度の大きさのものを一つ持っていれば十分です。

 

こだわりの道具として、木べらというものもあります。

柔らかい桧で出来ており、幅や先の薄さなど、用途に合わせて削ることが出来、

昔の現場ではよく使われていたものです。

プラスチックヘラと建築用のヘラの丁度中間のようなもので、手に馴染みやすく

とても使いやすいものです。

とても安いので、ホームセンターに売っていれば試しに使ってみるのもアリですよ。

 

パテの付け方

続いてパテの付け方です。

DIYで作業する場合、下準備として、まずは修復する箇所の旧塗膜をペーパーで剥がします。

写真はダブルアクションサンダーというエアーツールを使って削っていますが、

当てゴムを使って落としても全然構いません。

その際、耐水(水研ぎ)なのか、空研ぎ(水を付けない)なのかどちらか迷うかもしれませんが、

どちらでも構いません。

ただ、大体の工場では空研ぎで行っている所が多いです。

その時のペーパーの番手は、

鉄板を削り、鈑金パテを乗せる場合は#180、

バンパーの補修、またはポリパテを使う場合は#240を使用します。

 

削り方として、写真のものはちょっと甘いですが、

削ったキワを滑らかにして、段差をなくすフェザーエッジという削り方をすれば

よりキレイに仕上げる事が出来ます。

 

削り終わったら、削りカスをキレイに落とし、脱脂を行います。

脱脂というのは、補修面についている油分やその他汚れを落とす目的があり、

色んな場面で行います。

パテを付ける面というのは、補修の中でも最下層になるので、この作業を怠ると

上をいくらキレイに仕上げたとしても台無しになる可能性があります。

土台は最重要なので、キッチリと脱脂をしておくことをオススメします。

 

その際に使うのがシリコンオフという脱脂剤です。

使い方は簡単で、たっぷりと補修面に吹き付け、キレイなウエスで拭き取るだけです。

その後、シリコンオフの湿り気がなくなれば下準備完了です。

 

次にマスキングとパテの混ぜ方です。

まず付ける前に補修面の周りを見て、アルミパーツやドアハンドル、または隣接パネルなど

パテを付けたくない箇所、広がったら付いてしまいそうな箇所を

あらかじめマスキングテープや新聞などを使って隠しておくと、作業がしやすくなります。

 

必要な量のパテと、適量の硬化剤をパテ板に乗せ、しっかりと混ぜます。

本来なら計量するんですが、DIYの場合は目分量でもだいたいOK。

というのも、硬化剤の量には少し範囲があり、多少の誤差があっても硬化に問題はありません。

混ぜる時に注意することは、パテの色が全部同じになるまで捏ねることです。

大体のパテは硬化剤が混ざると、主剤の色が変わります。

茶色だったりピンクだったり黄色だったり。

その中で主剤の色(大体は灰色)が少しでもあると、そこは混ざっていないので、

そのまま補修面に付けた場合、硬化不良を起こし、剥がれや痩せなど

トラブルの原因になります。

なので、色が均一になるまでしっかりと混ぜてください。

 

次にパテの付け方です。

まず最初にどんなふうにパテを乗せるかを決めておきます。

パテを多く乗せる箇所、薄くても良い箇所をあらかじめ確認しておけば

使うパテを節約出来ます。

まずはヘラに少量取り、補修面に付けたペーパー目にこすりつけるように薄く付けていきます。

最初から厚盛する必要はありません。というより盛ったら駄目です。

この擦り付ける様に付けるという作業は実は重要で、要は傷つけたペーパ目の中に

パテを食い込ませているんです。

これはコーキングでも同じことが言えますが、例えるなら溝にしっかりと埋めていくような感覚です。

だからその溝をキレイにするための脱脂が必要になり、擦り付けるようにパテを付けることが

重要になって来るわけです。

 

次は最初に確認しておいた通り、必要な箇所に乗せていきます。

乗せ方で注意することは、歪の形です。

そんな大層なことではないのですが、例えばバンパーが正面から見て縦に歪みがある場合。

よくありますよね?ポールとかにぶつけた場合とか。

コレを修復してパテを付けるとした場合、歪は当然縦長なものになります。

(俺は歪なんか残さん!パテなんざ付けん!という方はスルーしてください)

その縦長の歪に対して横方向にパテを乗せた場合、歪を撫でる様に付けることになり、

それでも抜けなくはないですが、パテの回数が増える可能性が出てきます。

そうならないために、少しでも材料を節約するために

この場合で言えば縦方向にパテを乗せていくと、うまく行けば1発で歪を抜くことも可能です。

当然、横方向の歪の場合は横に引くことでキレイに修復することが出来ます。

 

パテの乾燥(重要)

 

パテ作業の中で、特に重要なのがパテをしっかりと乾燥・硬化させることです。

パテが乾燥していない場合、いくらキレイに塗装したとしても

艶引け、痩せ、剥離等さまざまな不具合が起きる可能性が出てきます。

 

硬化させる方法ですが、確実なのは熱乾燥です。

大体どのメーカーでも、60℃✖20分 というのが推奨です。

というのも、パテは硬化剤との化学反応により、パテ自体が熱を持って乾燥し始めるんですが、

グラフで言えば、60℃を超えた辺りからその硬化の速度は急激に上がり出します。

パテ自身が熱を持ち、中から硬化、

ヒーターなどで温め、外から硬化

こうすることでしっかりと乾燥させることが重要です。

 

よくパテを撫でて硬化しているかどうか判断している人がいますが、

僕的にはそれは確実ではないと思っています。触っただけでは中まで硬化できているか

確実に判断できないためです。

溶剤と硬化剤をしっかり計量するように、パテはしっかりと温める時間を計ることが重要です。

 

しっかりと時間を計り、乾燥・冷却させた後、ペーパーで研ぐんですが

その時に硬化不良だった場合は、ペーパーにパテが点々と絡みつくように付くので、

その場合は様子を見て、もう一度温めるか、撹拌不足の場合は剥がしてしまうかを判断します。

 

どの作業でも、様子を見ながら行うことが重要です。

 

研ぎ方

DIYで作業されている人の中で、パテを研がないまま色を乗せているクルマをたまに見かけます。

バンパーならそれでも良い場合もありますが、

それでもやはり研いだほうがキレイになることは確実です。

 

パテの目的の1つに、歪を抜くということがあるのですが、

塗装屋の場合、この作業が仕上がりの良し悪しを分けることになるので

神経を使って行うことになるのですが、

DIYの場合、そこまで歪にこだわりがないのなら、段差を落とすだけで十分です。

これぐらいです。

このパテはポリパテ(細目)ですが、多く盛ったのなら#180から始めて#320まで、

薄く付けたのなら#240から始めて#320で決めます。

この時に注意するのは、旧塗膜(色の方)はなるべく削りすぎないようにすること。

オススメのやり方は、パテの方から旧塗膜の方に向かって研いで行く方法です。

 

パテが付いている方が高いわけですから、高い方から低い方へ研いで行くわけです。

その時に、旧塗膜を削らないように#180で研ぐ場合はパテのみを研ぎ、

大体の高さが決まってから#240で旧塗膜と均すような感じで、様子を見ながら研いでいく。

最後にに#320で決めれば、ぱっと見はキレイに仕上げることが可能です。

 

道具についてですが、当て板を使って研いで行くことをオススメします。

小範囲なら手で当て擦っても構わないのですが、やはり当て板を使ったほうが

キレイに仕上げることが出来ますよ。

 

 

まとめ

 

今回はパテの説明を行いました。

DIYで作業する場合、その殆どが軽補修だと思います。

その場合であれば、ポリパテ(細目)を使い、ペーパーも

#240~400を用意するだけで、十分に仕上げることが可能です。

そして、最も重要なのがパテの撹拌と乾燥です。

コレを怠ると、せっかくキレイに塗れたとしても

後々不具合が起こる可能性が出てくるので、ここだけはしっかりと行ってください。

よく、自然乾燥で○日置くと説明しているサイトがありますが

それにしても確実ではないので、やはり熱乾燥行うことをオススメします。

ヒートガンを使えば、キレイに時間を短縮させて仕上げることが出来るので、

1つ持っておくと、とても便利です。

 

パテ作業は確かに手間がかかり、難易度が高いですが、

落ち着いて行えば、それなりには仕上げることは可能です。

慌てず作業することを心がけてください。

 

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