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自動車塗装のDIYについて思うこと

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いちころです。

クルマや単車の塗装をDIYでやる方は多いと思います。

実際、カー用品の店に行けば補修用の材料がたくさん売ってますしね。高いですけど。

今回は、そんな自動車塗装のDIYについて少し書いていこうと思います。

例によって独断と偏見です。

 

基本的に難しい

補修というのは基本的に難しいです。

僕たちは日常的にやっていますが、これを何もやったことがない人がやるとなると

難易度が高いのはなんとなく分かると思います。

では何が難しいのか?

それを少しずつ書いていきますね。

 

マスキング

マスキングというというのは、分かりやすく言えば

色を乗せたくないところを隠す作業です。

で、よくDIYをしている人を動画で見るんですが、みなさんマスキングの範囲が小さすぎるんですよね。

例えばですが、ドア1枚塗るとしたら、その隣接パネルしか隠さないとかね。

 

塗料って、塗ってるのを見たら分かるんですが、結構飛ぶんですよ。

ドアなんて塗ったら、屋根やボンネットまで軽く飛びます。

そこを隠してなかったら、飛んだミストがパネルに乗って、ザラザラになるんですよ。

そんな経験ないですか?

そうなったら後が面倒なことになるんでね。

実際、僕がやるとこんな感じになります。

もちろん、これは業務用の材料を使って作業しているので

DIYでは新聞紙等を使うことになると思いますが、塗面だけ見ても

このくらい隠さないと、細部に色が飛んでしまします。

 

『自分のクルマだから適当でいいや』

 

という人なら細かくは言いませんが、きれいに仕上げたいのであれば、

テープを惜しまず、キッチリと細部まで繋ぎ目が開かないように貼ることをオススメします。

 

パテは研磨するもの

DIY作業をしているクルマが入庫することがあるんですが、

よくパテを付けて研磨せずに塗装しているのを見かけます。

 

パテはご存知のように歪を抜くために使うものですが、

付けたら乾燥させて研磨するものなんですよね。

例えばこんな感じのバンパーのパテの場合、手順としてはこんな感じです。

1,#180で傷の研磨

2,#240で肌調整

3,シリコンオフ等で脱脂

4,ペーパーを当てた範囲にパテを付ける

5,乾燥後、研磨

6,#320で肌調整した後、サフェーサー塗布

ペーパーの番手は、傷の程度によっても変わります。

例えばバンパーの角を擦って、傷も浅い場合なら#600でも十分だし、

同様に傷が浅いなら、どんな場合でも番手の高いもので代用が効きます。

 

擦るペーパーは、目が細かいほど後の作業が楽になると思っておいて下さい。

よく

『#180や#240で当ててサフを塗ります!』

という記事を見かけます。その後に

『サフェーサーを厚塗りすると傷が消せるので!』

と続くんですよね。

 

確かにサフェーサーというのは、成分的にはパテと同じなので

そういう意味では傷は埋まります。

ですが、塗料は乾燥すると痩せていき、傷が深いところはそのまま出てくるんですよね。

また厚塗りすると乾燥が遅くなり、当然自然乾燥ではなかなか乾燥してくれません。

触った感じが乾いていても、それは塗膜の表面が乾いているだけで、

その中身は半乾きがほとんどです。

これは、僕たちプロでも失敗しないとは言い切れないことで、パテでも起こります。

するとどうなるか。

上塗り(仕上げ)をしても、その部分は半乾きのままなので艶引け、

または熱を当てるとその箇所が浮いてくるという不具合が起きる可能性があります。

要は、失敗です。

半乾きというのは、塗装をする上で重大なミスなんですよ。

これを、専門用語で硬化不良といいます。

 

硬化不良の原因はまだあります。

さっきの例は、乾燥をしっかりさせないということを取り上げましたが、

もう一つ、硬化剤の量が適量でない場合も硬化不良が起きます。

パテの場合、色で判断出来るんですが硬化剤の量は大体全体の2~5%が一般的です。

多少の誤差は大丈夫ですが、この量を出し、全体が同じ色になるまで

しっかりと撹拌します。元の色が少しでも残っていたら

そこは絶対に効果せず、付けても硬化後、爪などで簡単に剥がれるので

きっちり撹拌することが重要です。

 

研磨方法は、写真のような当て板があればいいんですが、市販のゴム板でも

十分代用が可能ですが、そこまで歪にこだわらないのであれば、キレイに研げたらそこで終了です。

 

例としては、こんな感じです。

キワになるほど番手を落としていき#320で仕上げればこれくらいにはなります。

 

市販のものにはラッカーパテがありますが、あれは硬化はぜず乾燥するものなので

広範囲の修復にはオススメしません。

 

サフェーサーはきっちり乾燥させる

被りますが、サフェーサーの乾燥はプロでも疎かにしがち・・・な人もいるくらいなんですけど、

これも重要なことです。

特に、ペーパー目を消そうとしたり、歪を抜こうとしたりして厚塗りした場合、

きっちりと乾かさないと、あとあと不具合を起こしてしまいます。

コレ、急いでるときなんかは結構起こることなんですよね。

60℃で20分が乾燥の基準ですが、厚塗りの場合はそれ以上の時間が要ります。

そしてあまり一度に温めすぎると、ピンホール(巣穴)が空いてしまうんですよね。

これは、表面が乾いているのに中が乾いていないため、乾燥するときに出る溶剤が

表面の塗膜に穴を開けて出るために起こる不具合で、結局の所失敗です。

キッチリ硬化してて、少しの量ならポリパテなどで埋めたらいいんですが、

厚塗りした場合はピンホールが出た時点でも乾燥していないことがほとんどなので、

もう剥いだほうがいい状態になります。

 

厚塗りをする理由としては、ペーパー目を消すというのがほとんどだと思うので

それなら細かい番手で当て直しておけば、厚塗りしなくて済みます。

なのでパテの箇所、そしてパテの周りは#320等細かめのもので当て直し

あまり厚塗りはしないことをオススメします。

サフを乗せる量ですが、パテが透けない程度+1回で十分です。

 

乾燥方法ですが、夏場なら晴れた日に天日干しをするときっちり乾燥させることが出来ますが、

冬場だとなかなかそうは行きません。

ヘヤードライヤーなどではちょっと頼りないので

安いヒートガンを使うことをオススメします。

大体60℃以上は普通にでるので、これでキッチリ乾燥させることが出来ます。

 

足付けしないと剥がれる

順番が前後しますけど、何に置いても足付けは重要です。

パテでもサフでもベースでも。

クリヤーのみ乗せるなら#1200で十分ですが、ベースを乗せるなら#600

でしっかり当てることをオススメします。

例えばこんな感じです。

元のクリヤーの艶が出てたら、そこは当たってないのでキッチリ細部まで擦れば

剥がれることはまずありません。

これはプロとか素人とかはあまり関係ない作業なんで、誰でもキレイに仕上げることは可能です。

めんどくさいですが、きれいに仕上げるためには重要な作業です。

手を抜かずに行きましょう。

 

ベースの乗せ方

DIYの場合、缶スプレーを使うことがほとんどだと思うんですが、

そもそもこの缶スプレーの塗料って、相当薄いものなんですよね。

というのも、缶スプレーは振って中のガスを使って吐出するものなので、

あまり濃いと塗料が出ないんですよ。

塗っても、濃色なら留めやすいですが、淡色は止めにくい。

黒は留めやすいですが、シルバーや赤・黄なんかは留めにくい。

いや、黒以外は全体的に留めにくいかもしれませんね。

 

するとどうするか。留めるために何度も塗り重ねる人が多いと思います。

所がこれって思ったほど留まらないんですよね。

例えば、青色の薄いフィルムがあるとします。色は透けています。

コレを1枚乗せて、決めてある色になるか、といえばなりませんよね?

当然色は薄すぎるし、サフがあるなら透けて見えています。

塗り重ねるというのは、この薄いフィルムを何重にも乗せていくのと同じことなんですよ。

するとどうなるか。

沢山乗せれば、結果的に色は塗りつぶせるかもしれませんが、決めた色には程遠く

黒っぽくなってしまいます。

これは色は光の反射で見えるものなので、膜厚が付き過ぎで反射しにくいために起こることです。

黒っぽく、艶が消えるというのはコレが原因です。

ではどうするのか。

ココが缶スプレーの難しいところだと思うんですが、

塗装の場合、留まりにくい色の場合は、先に下塗りをするのが基本になるんですよ。

黄色なら白。

赤なら薄いグレーとかね。

なので留まりにくいと思ったら、先にサフを乗せておくのがベストです。

修正した箇所なら、もうサフを乗せてあるはずなのでそこは問題ないですが

例えば、別のクルマからパーツを取り替えて塗装する場合とか。

 

旧塗膜とサフでは色の乗りが違うので、少量の塗料で決めた色に近づけるなら、

サフを乗せると、後のベースをキレイに乗せることが出来ます

 

 

クリヤーのベタ塗りは艶引けの原因

クリヤーは透明なので、何回塗ってもいいというのをとあるDIYの記事で見たことがあります。

その方は単車のタンクを塗っていたんですが、なるほどキレイに仕上げていました。

実際、『クリヤーは垂れる直前までたっぷり塗ります!』という人も多いんじゃないですか?

なんとなく気持ちは分かります。

塗れば塗るほど艶が出れば、何か塗り重ねたくなりますよね。

 

膜厚を付けたほうが頑丈な気もします。

ですが、実際はそんなに塗り重ねなくても十分なんですよね。

艶を出したいなら、乾燥後に磨けばいいだけですからね。

艶出しを使ったほうが、遥かに艶が出ます。

 

クリヤーですが、コレもあまり厚塗しすぎると乾燥しない不具合が起こるので

3回程度乗せて様子を見ます。

塗料は乗せた後伸びるので、そこでまだツヤが足りなければもう1発。

それくらいで十分膜厚があり、艶も十分に仕上がります。

 

ベタベタに塗ったらたしかに塗った直後はキレイなんですけど、

膜厚を付けすぎると不具合が起こる可能性も上がります。

なので、クリヤーは3~4回乗せるだけで十分です。

その後、ツヤが足りないと思ったら磨けばキレイに仕上がります。

 

 

塗ったキワのこと

パネルを1枚キッチリ塗る場合なら問題ないですが、

バンパーの角だけ、あるいはどこかの1箇所だけを部分的に塗った場合、

クリヤーのキワが当然出来ますよね。

その場合どうするか。

コレを使うんですよね。

Holts(ホルツ) カーペイント ボカシ剤

ベースをボカす時なんかでも使いますが、このボカシ剤というのは

要は塗料をなじませるものです。

これをクリヤーのキワに垂れない程度に乗せると、なじませることが出来ます。

乾燥後に磨けば、十分に綺麗にすることが出来ます。

 

 

まとめ

今回は、作業方法を紹介しながらですが

その作業の難しいところを説明しました。

実際、ネット上を見てみると

『簡単に塗装するコツ』

『自分で塗装しちゃおう!』

的な記事がたくさんあります。

僕もDIYの作業自体は反対ではありませんし、

自分で作業して納得できるならそれでいいとも思っています。

 

ですが、1つ言いたいことがあります。

それは、自分で塗ったものは長持ちしないということです。

塗料には耐候性というものがあり、簡単に言えば雨風日光にさらされても

美観を保つかどうかということなんですが、DIYで缶スプレーで塗った場合、

おそらくは耐候性はあまりありません。

要はすぐに汚くなってしまうということです。

それでもいい、今だけきれいになったらそれでOKという場合ならいいんですが

そうでない場合。きっちり直したいのであれば、やはりプロに頼むのが1番です。

手間、時間、仕上がりをお金を払うことで代りに請け負ってくれます。

 

工賃を払いたくないからとDIYするのか、

その分の時間と手間をお金で買うか。

 

結局はその2択になるんですが、僕はやっぱりプロに頼むのがいいかな?とも思います。

どうでもいいクルマで、なんかちょっとやってみたいとかなら別ですけどね。

 

以上、DIYで思うことを独断と偏見でまとめてみました。(`・ω・´)ゞ

 

 

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