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自動車塗装研究 ZFTについて

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スズキ スウィフトに採用されている

塗装屋にとっては凶悪(?)な色。

名前はチャンピオンイエローですが、難易度もチャンピオンな感じで、

正直、やってられない感がはてしなく漂うこの色のクルマ・・・・

スウィフトスポーツが、今回ウチの工場に入ってきました。

 

難易度の高い色といえば、マツダのソウルレッド(46V)を思い出す人も

中にはいるかもですが、

その色を塗ったことがある僕に言わせれば、このチャンピオンイエローの方が

調色、塗装に関しても数段難しく、

ソリッドの黄色やから、白吹いて上から黄色乗せたらオッケ!

とか安易に考えていたら、痛い目では済まないくらいの損害を受けることになります。

・・・・今回の僕なんですけどね。

では、今回の自動車塗装研究では

この難易度の高いZFTについて、書いていこうと思います。

 

3コートソリッド

まず、この色はソリッドです。

ですが、普通のソリッドではないんですね。

それは皆さん、何となく分かるかもですが

じゃ、どんなソリッドかと言うと、タイトルの通り

3コートなんですよね。

キャンディや、マツダの46Vとかならメタリックなんで、

3コートなのもよく分かるんですが、

(゚Д゚)ソリッドで3コート?

というのが、配合表を見た時の正直な感想です。

ベースコート、カラーベース、両方当然ながら、どっちもソリッド。

ここからもうだいたい分かるじゃないですか。

あー、上の色がトマらんから下色を塗ってトメる感じか

って。

だいたい他の黄色もそんな感じで、隠蔽しないから

先にサフで白を塗っておいて、それから色を乗せて決める。

この流れが多いですよね。

なので、今回もちょっとこんな感じやろ、と思ってたんですよ。

ところが、コレがもう失敗の始まりだったんですよね。

 

色が合わない

まず最初にチップの色を見て、多分コレやろうという色を選んだんですが、

まぁ、色が合わない。もう、カスリもしないような感じで、

こちらの色は、黄色が濃く赤味。

元の色は白っぽく、緑味。

もう、こうも違うか!というくらいズレていて

一瞬違う色を作ったのかと思うほどでした。

 

2~3枚塗り板に塗ったところで、あまりにも違いすぎるので、

塗料屋さんに聞いて見たんですよ。どうやって塗るのかを。

すると、思いもよらない答えが返ってきました。

 

パールと同じ塗り方

結果から言うと、3コートパールと同じ希釈・塗り方でOKでした。

それまでは、ベースコートを下塗りと思い込み、

どちらの希釈も60%で行っていたので、そらカラーベースが染まりすぎて

合うわけ無いですよね。

無知って怖いっすわ・・・・。

で、OKなのはいいんですけど、やり方が分かった所で肝心の色が合わない。

いや、理屈は分かってるんですよ?

ベースコートの色を透けさせて、カラークリヤーのように

カラーベースを乗せる。パールと一緒ですよね。

そのカラーベースの塗りの指定回数が5回なんですが、

いくら隠蔽しにくいからといって、こんなに乗せたらさすがに

そこそこ色が付きます。冴えた黄色にね。

 

透けさせるのはもう分かった。

この白緑味を出すのはどっちや?どっちイジるねん?

その前にこのうっすい黒味をどうすんねん?

そうこうしているうちに、1日目が終わりました。

2日めに持ち越しです。

 

希釈量と塗回数

1晩考えて、カラーベースに白と緑(366)を入れ、

ベースコートを思いっきり白く、カラーベースの希釈を130%から150%に変更。

塗り回数を2回にしました。

これでどないや・・・・

雰囲気は合った!

リアドアは足付けしてるのでちょっと白っぽいですが、

フロントドアとの雰囲気はこんな感じやろう。

( ゚∀゚)もろたで!

先輩と専務にも確認してもらって、コレでイケると判断。

もうこれで勝負します。

 

ボケない

リアドアを外し、塗る準備をしてる最中も、

塗り方を考えてました。

色を乗せるだけならイケる・・・・ハズ。

問題なのはボカシです。

透かせながら色を合わせてボケるんか?

そんな事が出来るんか?

いや、考えすぎたらアカンやろう。とにかく行こう!

 

これがボカシまで終わった状態。

正直、ボケなかった。ボカシにくかった。

あの白っぽいベースコートを先に乗せ、それも希釈してボカシ。

その後、ニゴシをして際を馴染ませ・・・・

( ゚д゚ )って、馴染むかっ!

もう、そんな至近距離ではボカせない。

塗った所がちょんバレです。

仕方なくドアの半分までキワが来てしまい、この状態です。

そしてここでまた問題発生。

(´・ω・`)何か赤くないか・・・?

ブースに入れ、蛍光灯の光で見ると、確かに色が違って見えることはよくあります。

でも赤って・・・・。

塗板で比色しても、同じ様な感じ。でもすごい不安が残る。

なにより、ドアの右半分と左半分の色が違って見える。

ん~~、ココで止めるか?

いや、やめた所でどうすんねん?

 

3人で話し合って、とりあえずクリヤーを乗せてしまおう。

で、外で見てみようということになり、作業続行。

・・・・あかん!絶対赤い。

コレはアカンやつや・・・・。あ~ミスった・・・。

塗ってる最中でもう分かる状態。

結局、組み付けて見てみても、もう調色した?みたいに

色がずれていました。

(TOT)やってもうたわ~。

 

失敗した原因

嘆いていても仕方ないので、失敗した原因を考えます。

その時思ったのが、

比べる色がなかったこと

ボケたかどうか判断する範囲が少なすぎたこと

この2つです。

 

例えばガンメタをぼかすとして

こんな状態ですね。

この場合、フロントドアはボカシで塗るので、見た通り十分な距離があります。

リアフェンダーも上に余裕があります。

 

コレですよね。

・・・・・何がって?

この、ボカす距離、見比べれる距離があるのか無いのかが

今回では重要だったんですよ。

 

塗った色がボケているかどうか。

その前にボカしにくく、ようやくボケたと思ったらドアの半分まで来ている状態。

当然ながら、それで済むわけもなく、ほぼ1枚薄っすらとでも色は乗っています。

リアドアね。

リアフェンダーなんてブロックみたいなもので、比色のしようがありません。

ただ、ベースコートを乗せて、カラーベースを2回吹いただけ。

もちろん塗板で比色はしましたが、そんな小さなもので、至近距離から見ても

ボケてるか、違和感なく塗れているか確認出来ません。

ようは、この難しい色で、この状態で塗ることが間違いやったんですよ。

もっと広い範囲で、ドアも付けた状態で、

様子を見ながら色を少しづつ乗せていくべきやったんですよ。

46Vとかみたいに、もっと気をつけるべきでした。

ソリッドやと、どっかでナメていたのかもしれません。

 

とにかく原因はわかりました。

多分コレです。

 

薄く広く

結局、僕が塗らずに先輩が塗ることになったんですが、

組み付けて、様子を見ながら塗ったら、問題なく仕上げることが出来ました。

組み付けて、フロントドアから、リアフェンダーまでの手直しです。

(写真はまた後日UPします。)

広範囲に、隣接パネルと比色しながらボカせば、

やれない色ではないですね。

ま、僕が仕上げたわけではないんですけどね・・・・。

失敗しましたし。

 

まとめ

結局、カラーベースを透けさせて、

ベースコートの色で深みを出す。そんな色です。

調色の時に、僕たちはキッチリ寄せようとして苦労しましたけど、

広くボカすことが出来るなら、おそらくそこまで寄せなくてもイケるような気がします。

 

希釈は、ベースコートはしっかりトメるために60%、

カラーベースは130%からはじめ、乗るようなら増やす。

塗り回数も考慮しないと駄目ですけど、そこは様子を見ながらやれば

問題なしですよね。

 

ただ、一つ注意するとしたら、色の用意です。

関ぺ(ハイブリッド)で言えば、663のペールエロー。

もうコレがメインで、400g作るなら、その8~9割はこの色です。

カラーベースはもちろん、ベースコートにも結構入ってるんで、

作業するなら、前もって用意しておかんとね。


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