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自動車塗装研究 上から塗るのか下から塗るのか

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いちころです。

塗装する際、皆さんはベースやクリヤーを上からか下からか、どっちから塗りますか?

例えばこんな場合。

多分ですが、9割くらいの人は上から行くんじゃないですか?

というより、普通はそうしますよね。

講習でも、他の工場の塗装屋でも、僕が見てきた人たちは

全員上からだったんすよね。

 

・・・・・でなんでこんなことを書いてるのかというと、この

上から塗るのってホンマにキレイに上がるのか?

って思ってたというか、いつも塗る前に迷ってたという所があったんでね。

ホンマにこの塗り方でええんか?みたいな。

今回はこのことについて、ちょっと書いていこうと思います。

 

ミストがかかるやんけ!

まず上から塗る理由ってこれですよね。

例えば、下から立ち上がりで塗ったとしたら、

せっかく塗った所にミストがかかる。ザラつく。だから上から塗る!

・・・と、大体こう言われます。

みなさんも、もしかしたらこう思ってるんじゃないですかね?

というより、下から塗らない理由として、質問されたらこう答えるとかね。

 

でもね、これってホンマですか?って思うんですよ。

塗った所にミストがかかるからアカンって。

 

これがね、多分違うんじゃないかと思うんですよね。

下から塗って、せっかく塗った箇所にミストがかかってザラつくんなら、

上から塗ったら、今から塗る所がザラ付きません?

いや、間違いなくミストがかかりますよね。

 

これから塗るからそれくらいイケる!塗りつぶせる!

 

そんな風に言われたこともあるんですが、ザラついてる面を塗る方が

アカンような気がするんですよね。

何故って、塗る前はあんなにキレイにホコリとか取るじゃないですか。

せっかくキレイにしたのに、塗る時はミストがかかってる。

今から塗る面がキレイな方が良いと思うんですよ。

 

希釈の問題

下から塗ったらザラつくと言っている人は、

実際の所、本当にそうなるんだと思います。きっとそうです。

でも、それってシンナーの希釈合ってます?

早めのシンナーを使ってるとか、希釈量が少ないとかじゃないですかね?

 

これは僕の経験上のことなんで、個人差はあると思うんですが、

下から塗ってザラ付く人は、仕上がりの肌が高い。

隣接パネルのボカシ際があった場合、やはり肌が高くなる。

こう思うんすよ。

要はシンナー希釈の時に、その時期の普通の温度や、少し早めのものを使ってるとか。

よくあるじゃないですか。

早く乾燥させて作業の回転を早くさせるために、早めのシンナーを使うとか。

 

・・・・作業のやり方は人それぞれなので良し悪しの問題ではないんですが

仕上がり重視の僕としては、正直、それってどうやねん?と思うんすよね。

塗り上がって、乾燥させたら艶がドン引きになってたら嫌じゃないですか。

 

 

下から塗る

で、さっきから書いてる下からの塗りなんですが、

今、僕は作業している全部のクルマをこのやり方で塗ってます。

例えばコレ。

最近の作業で、中古車のVitsです。

これ、ベースもレベリングもクリヤーも、全部下から行きました。

正直言うと、ブツが3個ほど付きましたけど、他は問題なし。

特に肌。ザラつきはないし、ボカシ際の肌の違いもありませんでした。

 

・・・・これは僕の塗りが上手いとかそういうことではなくて、

下から塗ったって、艶には全く関係ないんですよ。

それどころか、多分ですがブツが付きにくいです。

もちろん、作業前の静電気の除去とか服装とかも関係するかもしれませんが、

少なくとも塗る向き(上からか下からか)で、肌がどうこうなることは

おそらく無いと思います。

 

実はこの塗り方、先月からずっとやってるんですが

コッチのほうが調子が良くて。Twitterで

( ゚д゚ )塗り方変えました!

とか、色々つぶやいてたんですが、具体的にはこうやってたんすよね。

 

下から塗ると均一に塗れた

上から塗って均一に塗れる人がほとんどだと思いますが、

僕の場合、正直言ってそうではなかったんですよ。

例えばドアならベルトラインモールより下。

モールがなければドアの下半分ですよね。ココの塗りが甘かったんですよ。

自分でも甘いと分かっているから塗り込む。

這いつくばるような感じで肌を見ながら塗る。

すると、塗れてはいるんですが、肌が違うんですよね。

均一じゃない。そこだけ厚い。

そうなると当然他とも肌が違うし、隣接があった場合、もうアウトです。

そんなズルズルの肌で良いわけがない。塗り直しです。

( ゚∀゚)フフ。見ながらやってそれ?オレはそうはならんで?

という人がほとんどだと思いますが、僕はそうじゃなかった。

丁度に塗れなかったんですよ。だから、磨きでごまかす。

 

後は水切りモールのキワ。

ココはホント乾燥後に艶が引いてしまって。

キワを塗って、ドアの面の一番上を塗ると

角度的に平面を横から塗る形になり、ミストが乗るのは分かってたんで

そこだけ濃い目に塗り重ねるような感じで乗せてたんで

やっぱり他の肌と比べて均一じゃなかった。

 

それが、下から塗ることで、端から端まで均一な肌。

そして塗り回数を合わせることで、隣接パネルに酷似した肌を

狙った通りに行けるようになったんですよ。

 

じゃ、今までどうしてたん?となりますが

正直言って肌が均一ではなかったんですよね。

あ~、ココちょっと寂しいな、とかそういうところがあって。

でも塗ってる時はそうはならなくて、乾燥後に艶が少し引いた時に

顕著に現れる。そんな感じやったんすよね。

 

問題な箇所を克服する

塗装屋にとって、均一に塗るということは簡単なようで難しいことです。

いや、出来る人にとっては造作も無いことかもしれませんけど、

僕のような普通の、ごく一般的な腕の塗装屋にとっては

結構な問題だったんですよね。

今回のこの下から塗る、というやり方に変えて具体的にどう変わったかと言うと、

さっきも書きましたけど、下側。ドアでもフェンダーでもゲートでも、

とにかく下側の肌が均一に仕上がるようになりました。

なので、リフトで上げて見られても、積車に乗せて下から見ても問題なし。

というより、磨きの段階でスゴイ楽だと言われました(ウチは磨きは別の人がやります)。

そして水切りモールのキワにしても、下から塗っていくので、キワも塗り重ねる必要がなくなり

他と同様の肌を作ることが出来ました。

 

塗装屋の仕事は、ほんの少しのことで100点が0点になるシビアなものです。

肌を均一に作る事が出来るのと出来ないのとでは、やはり大きな差があるように思います。

磨きでなんとかなる!と言えばそうなんですが、

その肌を均一に作れない欠点を抱えたまま、ずっと作業していくんか?

と、自問自答した時、そらもう、言うまでもなく良いわけないですよね。

 

もし僕のように、均一の肌を作れないと悩んでいる人がいるなら

そのあたりをちょっと変えてみたらどうですかね?

塗り方、シンナーの種類、希釈の量とか。

やはり、この辺りは無視できないところですよね。

塗るのと同じくらい、重要視しないといけないところのように思います。

 

 

まとめ

塗り方は人それぞれと、色んな人が言ってますが

僕もそうだなと思います。

セオリー通りでもいいですけど、そのやり方に疑問を感じたら

思い切って塗り方自体、変えてみるのも手だと思います。

今回の僕のような感じでね。

もしかしたら、そのやり方が自分には合ってないのかもしれませんしね。

 

ただ色を塗って艶を出すだけ。簡単やんけ!

と、言われ舐められがちの塗装屋ですが、

やはり奥が深い。

塗る方向、塗る順番、乗せ方。

その順番や、やり方が違うだけで、100点が0点になる。

 

自分の穴はどこか、それをどう埋めるか。

やることはもうそれだけのような気がしますね。

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