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いちころ質問箱

いちころ質問箱 メタリックのボカシとクリヤーのキワ

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いちころです。

Twitterを見ていただいてる方なら知ってると思いますが、

トップに質問箱を置いています。

簡単なことなら質問箱の中で答えるんですが、

技術的なこととなると、文字数が増えるので

ちょっと読みにくいかな?ということも考慮して

ブログでお答えすることにしました。

記念すべき1回目にいただいた質問はコチラです。

なるほどです。

では早速、ご質問にお答えしていきますね。

ただ、この問題をそのまま答えてしまっても、部分的な回答になり

なんのこっちゃら分からん!となったらアレなんで、

一応ですが、作業を全体的に説明していくので、

必要なところだけを拾ってもらえたらと思います。

 

なぜ色ムラが起こるのか?

厳密にいうと、色にもよりますが、

100%ムラを取るというのはかなり難易度が高いです。

僕も、普段の作業で確実に抜いているかといえば、色によって甘い時もあります。

なので、80~90%くらいの仕上げを狙うということで、話を進めていきますね。

 

まず、ムラ取りをする前に、何で色ムラが起こるのかというと

いくつか理由があります。

1.下準備の不具合

2.色が隠蔽出来ていない

3.均一に色を乗せることが出来ていない

4.ボカシぎわの処理が悪い

 

1つ目の下準備の不具合ですが、これは例えば

パテやサフが硬化していないとか、旧塗膜を削ってそのままとか、

油分や汚れが残っているとか、そういうことです。

パテやサフが完全硬化していない状態(半乾き)で塗料を乗せると、

その個所がそのまま痩せたり、艶ごっそりが引いたりします。

旧塗膜を削ってそのままにした場合も、リン酸亜鉛加工(錆止め)のせいで

塗膜が痩せることがあります。

こんな感じですね。

このままサフを乗せて仕上げると、確実に痩せます。

油分や汚れも同様で、これらを無理塗って押さえると、ハジキなどが起こります。

 

これらはすべて、色むらの原因になる可能性があります。

黒くなったり、トマリが悪くなるため、

塗り重ねてムラになるといった具合ですね。

 

2つ目の色の隠ぺいが出来ていないということですが、

しっかりとベースを隠蔽させずに、ベース塗装を終わらせた状態のことです。

これはトマリが悪い色によくあることで、比色や確認をしないのが原因です。

塗装回数のみ(3回とか)でベースを塗り終え、

隠蔽しているかどうかの確認を怠った時などによくあることです。

隠蔽していないために起こるムラなので、ムラの取りようがありません。

 

3つ目の均一に色を乗せれていないですが、

これはそのままで、ガンの距離や角度、塗り重ねのやり方が不十分で、

塗った直後にもう大量のムラが出来ている状態です。

これはもうどうしようもないので、乾燥後にベースの塗り直しになります。

 

4つ目のボカシぎわの処理ですが、これはシンナーの選定をまちがったり

やはり塗り方で、ボカしきれていないときによく起こります。

 

以上がムラが起こる大きな原因です。

もしこの中で、心当たりがあるものがあるならその改善を。

出来ているなら、ムラ取りを丁寧にやれば、ムラは改善されると思います。

 

ムラ取りの方法

では、僕のやり方ですが、シルバーの塗りで

ちょっと説明していきますね。

色はS28。塗装個所はルーフです。

 

塗装個所はこのアンテナの周りのサフを乗せてる所です。

まずは、このベースを乗せるところ以外に、レベリングを吹きます。

半艶でダブルコートです。

次にベース。

1回目はバラ吹き。2回目はセミウエット。3回目は様子を見ながら

ウエット気味に乗せます。

均一に乗せることが絶対条件です。

 

これがベースを乗せてそのままの状態。

ムラ取りはまだしていません。

一瞬ムラがないようにも見えますが、これはほぼ乾燥しているからそう見えてるだけで

実際はいます。

ウエットの状態で見えているムラを、エアブローなどで乾燥させると

パッと見は消えているように見えます。

ですが、ムラはウエットの時の状態のものが本来の状態なので、

乾いた状態で見て、『ムラが消えた!』と判断して終わらせると、

クリヤーを乗せたらムラが出て来ることになります。

そうならないために、ここからムラ取りをしていきますね。

 

そのやり方なんですが、まずは塗料の希釈ですが、

僕の場合、ベースは通常80%で割っています。(関西ペイントハイブリッド)

 

ボカシはこれに、シンナーを20~30%足す感じです。

大体ですけどね。

今の時期なら30番(遅乾型)がメインですが、

これに40番(超遅乾型)を足します。

要は、ボカシやムラ取りの時に足すシンナーは

ベースを塗るときよりひとつ遅めのものを足すといった具合です。

 

それにも理由があるんですが、あとで書きます。

 

で、次に塗り方ですが、まずガンの調整です。

吐出量とパターンはそのままで、空気圧を少し、気持ち下げます。

 

ベースを薄く、ガンの空気圧を下げて塗ることを

ドロップ塗装といいます。

ドロップというのは雨という意味で、

雨がぼたぼた落ちるようなイメージで塗る感じですね。

 

塗り方はベースと一緒で、この薄い塗料を

均一に乗せていきます。

空気圧を抑えているので、少しだけゆっくり。

 

塗り終わりを見ると、ここではムラがありますが、

でもこれでいいんです。

ここで、さっき遅乾のシンナーを足したことが生きてきて、

その溶剤がゆっくり抜けていきながら

メタリックが均一に並んでいき、ムラが抜けます。

なのでここではエアブローはせず、自然乾燥させた方が良いと思います。

 

ムラが抜けているかの確認

ここまで作業して、必ずやらないといけないのが

ムラ取りが出来ているかどうかの確認作業です。

写真は別のクルマのものですが、僕の場合は

ブースの電気を消し、投光器を使って光を当てます。

こうすることで、明るいところでは見えなかったムラがよく見えるので

確認しやすくなるんですよ。

 

この状態で、もしまだムラが残っているならもう1発行く感じですね。

ムラが抜けたことが確認出来たら、電気を点けてもう1度確認。

問題なければ、ベースはこれで完成です。

 

クリヤーのボカシテープの距離

えー、これはボカシぎわのマスキングのことでしょうか?

例えばリアフェンダーを塗ったとして、その肩のマスキング的な。

例えばこういうことですかね?

こういうことだろうということにして、説明していきますね。

以前の記事 自動車塗装研究 クリヤーのボカシぎわの処理 でも説明したんですが、

僕のボカシぎわの塗りには段階があります。

 

このクルマで言うと、今、写真の所で肩を切っていますが、

1発目のクリヤーでは、リアフェンダーはドアの高さまでしか塗りません。

2発目でピラーの真ん中よりちょっと上あたりまで。

そして3発目で紙の所の付近まで行くんですが、その時紙をちょっとめくります。

そして、飛んでるミストをふき取り、紙と反対側に(この場合右に向かって)

クリヤーを吹いていきます。

そしてまた紙をめくり、キワの処理をしていく感じですね。

なので、塗りあがりはこうなります。

 

今はこのやり方をやってますが、以前は1枚目の写真のように隠して

最後までこの状態で塗ってたんですよ。

キワ付近にレベリングを塗ったりしてね。

でもやっぱりミストって、どんなに注意して塗っても飛ぶじゃないですか。

なのでこのマスキングでのキワの処理に、不満があったんですよ。

ザラザラになって磨きにくいって感じでね。ラインも出来るしね。

 

それを何とかしたいと思って変えたのが、今のやり方です。

なので、質問にある、紙まで何センチ手前までクリヤーを乗せるか?ですが、

おそらく以前の僕のように、1枚目の写真のやり方でやってるんじゃないですかね?

 

このやり方で、今僕がやるとしたら・・・

ピラーの3分の2くらい。

紙から20㎝手前くらいでクリヤーを終えて、残りでボカします。

そんな感じですね。

 

回答あとがき

今回の質問のムラ取りですが、

これはムラ単体で考えてしまうと、最後まで改善されないように思います。

なぜムラが起こるのかを考えた時、塗り方以前に問題があることが

結構あったりするんですよね。

下処理だったり、シンナーの選定だったり。

 

なので、そのあたりも含め、もちろんベースを均一に乗せることも注意して、

全体的に見ることが、改善の手だと思いますね。

 

クリヤーのキワについては、これはやる人によるので何とも言えませんが、

僕の場合は、ラインやザラツキを作りたくなくて、

サッと磨いて終わりにしたかったので、今のやり方になりました。

1枚目の写真のやり方だと、どうしてもザラ付いてたんですよ。

それも磨いたら何とかなるんですが、それが嫌でね。

 

この辺りは、自分の好みでやってもらったらいいと思うんですが、

今の僕のやり方は、結構いけるので、もし気が向いたらやってみて下さい。

(`・ω・´)ゞ

 

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