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自動車塗装研究 色ムラが出やすい色で大きなパネルを塗る場合

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いちころです。

広範囲のパネル物で、しかもガンメタとか色ムラが出やすい色って、

正直な所、避けたいじゃないですか。

あー、出来ればやりたくないな~って。

今回、某ディーラーからパサートのボンネット交換の作業が入ってきたんですが、

これがまた結構デカくて。

しかもパッと見はシルバーなんですが、調色してみるとガンメタに近い色で

もうそれだけで難易度が高いのが分かりますよね。

 

今回、その作業は僕には回ってこず、先輩がすることになったんですが、

結果的に手直しすることになりました。

で、先輩がリベンジするのかと思っていたら、

専務『いちころさん、次行きますか?行くでしょ?』

って。

( ゚д゚ )は?ですよね。

当の先輩も、もうお手上げの感じで、僕に投げる気まんまん。

 

前に助けてもらったこともあるし、ドライウエットの練習にもなるので、

今回の作業を代わりに受けることにしました。

 

ということで、今回の作業はパサートのボンネット塗装です。

 

ムラの出にくい塗り方を実践する

まず手直しの内容なんですが、以下のとおりです。

 

○色の沸き

○色ムラ

○色ゴミ

 

色の沸きは、見た目はハジキの様な感じですが、

ベースを厚く乗せ、乾燥時間を十分に置かずにクリヤーを乗せた場合に起こりやすくなります。

これは、ベースの分のシンナーが蒸発する時に

クリヤーの層に穴をあけ、その穴を半乾きのクリヤーで埋まってしまうために起こる

不具合で、パッと見た目は油分で弾いているようにも見えます。

キツイところは相当深く、クリヤーを点で落としても型が残るほどで、修復は無理。

ベースから塗り直し確定です。

 

色ムラは・・・・ムラですね。これも起こる理由は様々ですが、

1.色が隠蔽できていない

2.均一に塗れていない、ムラ取りが出来ていない

3.厚塗しすぎている

などがあります。

まぁ、完全に消すのは難易度が高すぎますよね。

でもそうも言ってられないので、今回はなんとかします。

 

色ゴミですが、これはベース塗装の時に付いていなくても

クリヤーを乗せてる最中、または乗せた後の半乾きの状態でも

刺さればベースまで行くので、これも大きければ塗り直し確定になります。

 

・・・と、色々と注意することがあるんですが、

手直しということで、もうこれで決めないとダメなんでね。

落ち着いてやっていきます。

 

エアブローからパラ吹き1回目

まずは静電気除去。

僕が毎回使っているこのイオンシャワーマグナムですが、

3万円を超えるため、そう簡単に『使ってくださいね~』とは勧められないんですが、

効果は絶大です。

よく、エアブローをしてタック・クロスで拭き取ればそれでOKという人もいますよね。

それでうまく行ってればもちろんOKなんですが、

エアブローをすると、間違いなくクルマに静電気が溜まります。

ビニールでマスキングをしている所なんかは余計ですよね。

試しにエアブローをしたあとでビニールを触ってみて下さい。

『バチッ』

ってなるんで。

イオンシャワーマグナムは、その静電気を除去してくれます。

なので、浮遊しているゴミが付きにくいんですよ。ホントに。

もちろん、全く付かなくなるわけじゃないですが、ブツの数は確実に減ります。

 

もうちょっと安かったらいいんですけどね。1万円切るとかね。

 

・・・じゃ、早速塗っていきます。

 

まずは静電気除去からのパラ吹き。

手直しのため、もう色は留まっているんですが、

色の沸きを削ったため、もう1回ベースからしっかりと塗っていきます。

パラ吹きの時も、やはりサ~っとというか雑に乗せず

なるべくですが、均一に乗せることを意識して塗りました。

 

色ムラが出やすいベース1回目。色を決める2回目

実際のところ、塗り方は人によって色々ですが

僕の場合、色を隠蔽させるまでの膜厚をつけるまでの塗回数は3回です。

その中でもこの1回目と2回目が超重要で、ここでムラが出過ぎたら

もう終わりなんですよね。多少はいいんですけど。

なので、そのあたりを注意して乗せていきました。

 

お気づきのように、今回は広範囲なので3分割にしています。

丁度、プレスのところです。

こうすることで、少しでも範囲を狭めて、塗りやすくしました。

その方がムラも出にくくなるし、塗る僕も楽なんでね。

専務や先輩の様に背が高い(185超え)なら問題ないんですが

ご覧のように僕の場合は手が届かないんでね。

ま、塗れれば問題ないじゃないですか。・・・・(´;ω;`)

 

3回目のベースとムラ取り塗装

ここまで乗せ終わって、一応塗り板(紙ですけど)で比色してみたら

ちょうど良かったんですよ。

でも、この時点で多少のムラがあったんで、ムラトリ塗装だけは行いました。

 

・・・・・が、録画ボタンを押し忘れて、肝心の動画が取れていませんでした・・(´;ω;`)

次から気をつけます。スイマセン

 

ですあ、塗装方法は結局一緒で、気をつけることは希釈と、吐出・エアー圧。

シンナー希釈は、ベースの時点で100%。それを目分量ですが120くらいの気持ちで

薄めました。

吐出は2回転と4分の1。それを2回転に。

エアー圧は1.2キロを気持ち上げる程度に。

要は、薄めた塗料を更に微粒子化して乗せたいので

塗料を薄く、エアーを少しだけ高めにする調整で行きました。

結果は、この時点ではムラを確認できないほどには仕上げる事が出来ました。

 

ベースを乗せる度に静電気除去を行って履いたんですが、やっぱりブツが付くので

ここでブツの除去も行いました。

 

クリヤー塗装1回目~2回目

ベースを乗せ終わり、指触乾燥するまで十分に待ってからのクリヤー塗装です。

この時点では、ベースにスカシコントロール剤が入っているため

キレイなつや消しに見えますよね。

ですが、もしムラがあった場合は、やはりここでもパッと見たら分かるくらいの違和感があるので

クリヤーを塗る前は十分な確認が必要ですよね。

で、ブツ・ムラ、塗り残しがないかの確認後、

1回目はパラ吹き、それから2回目まで乗せました。

まぁ、緊張しますよね。

1回目のパラ吹きはいいとして、2回目ね。

だって、この時点で艶が出るので、ムラがあったらその時点で即終了になからね。

今回はうまく行ったので良かったですけどね。

 

それはいいとして、次は肌ですが

ドライウエットで塗った場合、これもベース同様に目視で調整が出来ます。

毎回継ぎ足しのような塗り方をしていて、薄く塗り重ねているので

この時点で肌が足りなかったと思えば、途中でも塗り足すことが出来ます。

 

僕の塗り方に違和感がある人は多いと思いますが、

その内容は、『塗り足したところの肌が変わるやんけ』ということではないですか?

大体そうだと思いますが、それがそうならないのがこの塗り方の特徴です。

まず、塗り足して肌荒変わるというというのは、要は塗り方が変わるからだったりしますよね。

ハッキリ言えば、ウエットに乗せた場合は塗り足しは難しいです。

その場合、たしかにオーバーミストの分が馴染まず、乾燥後もやっぱり残るので

継ぎ足しはダメだという意見も分かります。僕もそうでしたし。

ですがこの塗り方の場合、ドライ気味に乗せているので、

塗り足したところも同じ塗り方になり、そのためオーバーミストも馴染みます。

そしてドライと言ってもウエットになるまで(2回目はセミウエット)乗せるので、

膜厚もあり、当然艶もある。

これが調整できる塗り方の中身です。

なので、ウエットで乗せてしまった場合の『乗せすぎた!』を防ぎ、

垂れ、伸びを極力軽減することが出来ます。

 

クリヤー塗装3回目

3回目のクリヤーですが、僕は乗せる前に結構乾燥時間を起きます。

15分~20分くらい。

そして十分乾燥させてからの3回目のクリヤー

しっかり肌を見ながら乗せるんですが、

ここでもやっぱりウエットには乗せず、ドライウエットで。

3回目ともなると、もうそれだけで十分に肌が作れるため、これ以上乗せなくてもいいのでは?

と、最近思うようになりました。

これ以上というのは、セミウエットで乗せた上からウエットで乗せた膜厚ですね。

一見いいように見えますし、僕も今までそうしてたんですが

これだと肌が伸びませんか?

 

2:1のクリヤーでも結構伸びるので、3:1のクリヤーを使ってるところなら

もっと伸びるはず。

そうなると乾燥後の磨きでの肌調整が効かず、最悪、塗り直しになりますよね。

肌が伸びすぎて。

もしくは塗り終わった後から垂れてくるとか。

塗り終わりはキレイだったのに、乾燥後や次の日に見たらダラッといってたりね。

それらはすべて、乗せ過ぎだと思うんですよ。クリヤーを。

そんな垂れる寸前まで乗せないといけないほど、膜厚って要る?

いや、多分いらんと思うんですよ。

なので僕はこのドライウエットで最初から最後まで行くやり方で

仕上げていこうかなと思ってるんですよね。

 

塗装後、指触乾燥時の肌と艶引き具合

仕上がりなんですが、厳しい目で見たらやはりムラは残っていました。

あと、ブツですよね。

ドライウエットという塗り方は、塗り重ねが多いため、その分パネルに

静電気が溜まりやすくなります。

なので、ブツがつきやすくもあるんですが、最初よりかはだいぶマシになったとはいえ、

やっぱりまぁまぁ付いています。

それも、削れば行ける程度の透明なブツなんですけどね。

これも今後の改善点の一つです。

仕上がりはこんな感じです。

 

やっぱりちょっと艶が引いてますよね。

ガンのスピードをもうちょっと落とすか、調整を変えるか。

膜厚がちょっと足りないか・・・。

とにかくもう少し改善しないとです。

 

ムラに関しては、乾燥後の確認でも、やっぱりあるにはあるんですが

まぁいける範囲なんでこれで行こかとOKが出ました。

 

やれやれ。難易度は高かったですが、無事終わらせることが出来ました。

 

まとめ

こんな大きなボンネットなどは、やっぱり塗りにくいですよね。

特にムラに関しては、いくらベースの時点でOKだったとしても、

クリヤーを乗せたらごっつムラが出た!となったら笑うに笑えんしね。

なので、やはりコレや!という塗り方を確立したら強いと思いますね。

当たり前って?

いや僕も以前はそう思ってたんですが、今の自分の塗り方が万能で

どんなものでも失敗の心配なく塗れる人ならいいんですが、

僕のように普通の塗装屋の場合は、毎回が勝負だったりするんですよね。

なので、バッチリ決まるときもあれば、やっぱり駄目な場合もある。

その不安定さを改善してくれたのがこのドライウエットという塗り方なので、

この塗り方で、今後は腕を上げていこうと思います。

 

以上、VWパサートの塗装解説でした。

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